58歳になっても“お騒がせ”! タイソンがビンタ!!19年ぶり「公式戦」前日の振る舞いに騒然
◆プロボクシング ▽ヘビー級2分×8回戦 マイク・タイソン―ジェイク・ポール(11月15日=日本時間16日、米テキサス州アーリントン AT&Tスタジアム) プロボクシング元3団体世界ヘビー級統一王者で58歳のマイク・タイソン(米国)が15日(日本時間16日)、米テキサス州アーリントンで、ユーチューバー兼ボクサーのジェイク・ポール(27)=米国=相手に19年ぶりの「公式戦」のリングに上がる。14日には当地で前日計量が行われたが、タイソンはポールに平手打ちを食らわせる“先制攻撃”。お騒がせ元世界王者の“暴挙”に場内は騒然となった。 対戦相手のちょっとした行動が、タイソンの“導火線”に火をつけた。228・4ポンド(約103・60キロ)で計量を終えたタイソン。227・2ポンド(約103・05キロ)だったポールに歩み寄った。相手陣営の一人と握手するなど冷静だったが、ポールは四つんばいの体勢からタイソンに近づく。その足が鉄人のつま先に触れた瞬間、タイソンは右手を振って、ポールの頬に平手打ちだ。両陣営がもみ合う中、引き離されたタイソンは「話は終わった」と一言で退場。怒りのぶつけどころが分からず、ヨガのポーズまでしてみせたポールは「タイソンは怒っていたね。彼は怒った妖精だ」などわめき散らした。 NFLカウボーイズの本拠地である当地のAT&Tスタジアムで、登録者数約2080万人のユーチューバーでもあるポールと対戦。2分×8回戦の特別ルールながら、テキサス州のコミッションから認可を受けた「公式戦」として行われる。05年6月のケビン・マクブライド(アイルランド)戦で6回TKO負け後に引退。元統一王者にとって19年ぶりの公式戦だ。リング登場は20年11月の元4階級制覇王者ロイ・ジョーンズ・ジュニア(米国)とのエキシビションマッチ以来となる。 13日の記者会見で「戦う準備はできている」、「私は負けない」などと話したタイソンが97年6月、ホリフィールド(米国)の耳をかんで失格負けしたことを揶揄(やゆ)するように、ポールは右耳に3000万円以上もするというダイヤをちりばめた特製イヤカバーを装着して登場。それでも冷静さは失わなかった。 5月、タイソンは移動の飛行機内で吐血、約6センチの潰瘍が見つかったという。今回は7月20日から延期されての開催だが、12日の公開練習では強烈なパンチを披露。健康面や31歳の年齢差を不安視する声を一蹴した。鉄人には今、51勝目(44KO6敗2無効試合)しか見えていない。 ◆ルール ヘビー級のノンタイトル8回戦で、1ラウンドは通常の3分から2分に短縮されて行われる。グラブも通常の10オンス(約283.5グラム)より大きい14オンス(約396.9グラム)が使用される。試合はエキシビションではなく、米テキサス州のライセンス規制局から認可を受けたプロボクシングの公式戦として行われ、結果は両者のプロ戦績に反映されるという。 ◆マイク・タイソン 1966年6月30日、米ニューヨーク市ブルックリン生まれ。58歳。少年院でボクシングと出会い、85年3月プロデビュー、86年11月にWBC王座獲得。WBA、IBF王座を奪取し、統一王座9度防衛。90年2月、ダグラスに敗れ37連勝でストップ。婦女暴行事件で92~95年服役。96年にWBC、WBA王座返り咲きもホリフィールドにTKO負け。翌年の再戦は“耳かみ事件”で失格。2005年6月のマクブライド戦でTKO負け後、引退。戦績は50勝(44KO)6敗2無効試合。カリフォルニア州で大麻農園を経営。
報知新聞社