DeNA・大田泰示が16年間のプロ野球生活に幕 同学年の戦友たちへの熱き思い
【球界ここだけの話】DeNA・大田泰示外野手(34)が11月18日、横浜市の球団事務所で引退会見を行った。通算907試合に出場し、打率・259、84本塁打、343打点をマーク。晴れやかな表情で「後悔はありません。ファンの方々は僕に力をくれた。こんな僕を応援してくれてありがとうございました」と感謝の言葉を口にした。 【写真ギャラリー】巨人、日本ハム時代の大田泰示 広島出身の大田は神奈川・東海大相模高時代に高校通算65本塁打をマーク。世代を代表するスラッガーとして鳴り物入りでプロの世界に飛び込んだ。 同じ1990年度生まれの同学年選手に対しての思い入れは人一倍強い。2球団競合の末に入団した巨人では、日米通算507本塁打を放った松井秀喜氏(50)が背負っていた背番号55を継いだが、在籍8年間で225試合に出場し、打率・229、9本塁打、40打点と本来の力を発揮できなかった。結果が付いてこない日々。プロの世界で先を走る同学年の存在が自身を奮い立たせた。 「浅村(楽天)が最初に西武ですごく活躍し始めて、その後は中島卓也(日本ハム)だったり杉谷拳士(元日本ハム)だったり。僕の中ではジャイアンツにいた頃は周りの同級生に出遅れているなって。そういう気持ちはすごくあった。羨(うらや)ましいなって」と当時の正直な気持ちを明かす。そして続けた。 「楽天の中川大志(元DeNA)も試合に多く出るようになり、そしたら大学を卒業した同級生が入ってきて、小川(ヤクルト)だったり三嶋(DeNA)だったり、その後、社会人から入ってきた戸柱(DeNA)だったり。同級生がどんどん1軍の舞台で活躍している姿を見て僕は刺激をもらいました」 16年オフにトレードで日本ハムへ移籍。環境の変化が転機となった。新天地でくすぶっていた才能が開花し17年からは4年連続で2桁本塁打をマーク。「ファイターズにトレードで移籍(5年在籍)して、ようやく同じ位置に立てたかなと思えた」と回顧した。 DeNA移籍3年目の今季、チームはレギュラーシーズン3位からはい上がり、1998年以来、26年ぶりの日本一をつかんだ。大田の1軍出場はなかったが同学年プレーヤーの活躍は素直にうれしかった。