ブレーキが効かない! 酷暑だった今年の夏、ブレーキフルードは危険な状態に…気泡が混ざるとペーパーロック現象が起きて止まれなくなるので早めの交換を!
ブレーキフルードの劣化具合は目視できる
なお、ブレーキフルードの劣化具合は、ある程度目視でも確認できる。 ボンネットを開け、ブレーキのリザーバータンクを見てみよう。フレッシュなブレーキフルードはほぼ無色透明だ。それが熱で劣化し、空気中の水分を含んでくると、透明度が下がってきて、だんだん赤みを帯びてくる。それが濃くなり赤というより紅茶のような茶色になってきたらもう限界。すぐにブレーキフルードを交換しよう。 もしそれを放置しておくと、フルードは廃油のような濃い色になり、ペーパーロック現象が起きやすくなるだけでなく、ブレーキマスターシリンダーに錆が発生したり、キャリパーのピストンが固着するなどして、高い修理代を支払うことにもつながってくる。ブレーキフルードの交換費用は、工賃込みで5000円~7000円が相場だ。 ブレーキは安全に直結している部分なので、走行距離にかかわらず、2年に1度、車検ごとにはブレーキフルードを交換するようにしたい。 またMT車のオーナーは、クラッチフルードもブレーキフルードと一緒に交換すること。クラッチフルードは専用フルードがあるわけでなく、ブレーキフルードをクラッチにも利用しているだけ。熱の影響こそ、ブレーキほど厳しくはないが、湿気の影響は変わらない。クラッチフルードも劣化すると気泡が入り、クラッチペダルを踏んでもクラッチが切れなくなることがあるので、クラッチフルードとブレーキフルードは同じタイミングで交換しておくと安心だ。
藤田竜太(FUJITA Ryuta)