MT車でもクラッチ操作なしで変速、ニデックが世界初のバイク向け「電動クラッチECU」を開発
ニデックグループのニデックモビリティは、世界で初めて2輪車向けの電動クラッチECU(電子制御ユニット)を開発したと発表した。この新技術により、ライダーがクラッチレバーを操作することなく、発進や変速、停止時のギアチェンジが可能となる。
従来、中型以上の2輪車ではマニュアルトランスミッション(MT)が主流であり、ライダーは発進や変速、停止の際にクラッチ操作とギアチェンジ操作を行う必要があった。新開発の電動クラッチECUは、MTバイクのクラッチコントロールを自動制御し、ライダーの好みに応じてMTモードとATモードを切り替えられるシステムに採用されている。
この製品開発において、ニデックモビリティは「モデルベース開発」手法を採用した。これにより、通常1年ほどかかる試作品納入を5か月で実現。モデルベース開発では、システムの制御や制御対象をモデル化してシミュレーションを行いながら設計開発を進めることで、設計工程での検証が可能となり、開発工数の大幅な短縮と品質向上を実現した。
ニデックモビリティは、これまでの4輪車や2輪車向け制御ユニットの量産実績が評価され、今回の開発につながった。同社は今後も車載用電子制御技術を進化させ、安全性や環境性能に貢献する製品開発を通じて、人と車のベストマッチングの実現を目指す。
この新技術は、2輪車の操作性向上や運転の快適性向上に寄与すると見込まれている。
レスポンス 森脇稔