GLAY、リル・ヨッティ、星野源などが熱演 サマーソニック2024総括レポート【東京公演DAY1】
星野源、GLAY、Belle & Sebastian、Lil Yachty
星野源 17:40〈MARINE〉 星野源がMARINE STAGEに登場するのは8年ぶり。「暑いのにこんなに集まってくれてる!」と序盤から興奮を露わにした星野。「地獄でなぜ悪い」「SUN」の後は「異世界混合大舞踏会」。うらめしやのポーズをしながら少しおどけた調子で「おばけが でるぞ」と歌い、ステージを歩き回る。音楽愛と探求心を宿した楽曲を惜しみなく披露する中で、誰一人置いていかないポップスターとしてのスピリットが溢れる。星野は「今の曲、ちゃんとライブでやるの初めてなんだけど、みんなよくこのポーズをやってくれたね」と嬉しそうに話した。「Pop Virus」や「ドラえもん」では日が落ちかかったMARINE STAGEいっぱいにオーディエンスの歌が聞こえた。ラストの「Hello Song」では「Hello Hello/笑顔で会いましょう」という再会を約束する歌が響き渡り、途中、星野は花道で「悲しいことはたくさんあるけど、今度会うときも笑顔で会いましょう!」と叫んだ。(小松香里) GLAY 18:35〈MOUNTAIN〉 かつて幕張で20万人を動員したイベントと同名のデビュー30周年テーマ『GLAY EXPO』のロゴを、威風堂々と掲げるオープニング。その瞬間からMOUNTAIN STAGEはGLAYの独壇場だ。ENHYPENのJAYとコラボした最新曲「whodunit」ではアンダーワールドの「Born Slippy (Nuxx)」も挟み込み、そこから「サバイバル」への繋ぎでパンデミック~戦争・紛争により混迷を極める世界に対して力強いメッセージを放ったかと思いきや、「口唇」や「HOWEVER」など誰もが一度は耳にしたことのある、文字通り「国民的J-POP」を高らかに歌い上げる。JIROの歌う「SHUTTER SPEEDSのテーマ」でコアなファンにも目配せしつつ、最後は「誘惑」をフロアと大合唱。「GLAYにとって初のフェス参加、お邪魔するのを楽しみにしていました」とTERUは謙遜気味に言っていたが、馴染みのサポートメンバーと繰り広げられる純度の高いGLAYワールドをひたすら堪能した1時間だった。(黒田隆憲) Belle & Sebastian 18:50〈SONIC〉 何しろ名曲揃いで歴史の長いスコティッシュ・バンド。スチュアート・マードックは来日前からSNSで日本のファンにライブで聴きたい曲を募っていたが、その甲斐あってか「Funny Little Frog」のようなヒット曲も含むセットリストになった。歌詞に東京や原宿が登場するポップチューン「I’m A Cuckoo」から、ボビー・キルデアのファンキーなリズムギターが冴える「Do You Follow」、カントリー・ロックの「Piazza, New York Catcher」、ミニオペラ的な「Dear Catastrophe Waitress」まで、幅広い楽曲に対応できてしまうバンドの柔軟さには恐れ入る。スチュアートの客席突入や、観客を舞台に上げた「The Boy With The Arab Strap」など、ファンとの触れ合いはもはや恒例行事。スチュアートが起用された『虎に翼』の劇中歌「You are so amazing」(作詞・作曲:森優太)を初めてバンドの演奏で聴けたことも感慨深い。日本との絆を再確認するような、親密さが溢れる一夜だった。(荒野政寿) Lil Yachty 20:10〈SONIC〉 サマソニ東京初日、SONIC STAGEのトリは今年のコーチェラで「Lil Boat」という名の巨大なボートをステージに出現させ、話題を呼んだことも記憶に新しいリル・ヨッティ。自身が所属するラップコレクティブ・Concrete BoysのCamo!とともに繰り広げたステージは基本的にはゴリゴリのトラップモード。「POINT ME TO IT」の地を這うようなビートに合わせてカウントアップ、二人が一斉にジャンプをするとフロアからはoiコールが上がた。「次の曲ではモッシュピットを起こせ」という日本語の通訳もあり、「Slide」ではサークルモッシュが出現。「Pardon Me(feat. Future & Mike WiLL Made-It)」「Ice Tray (Quality Control, Quavo & Lil Yachty)」「Flex Up(feat.Future & Playboi Carti)」等、数えきれない程の人気曲を矢継ぎ早に繰り出し、ぐんぐん場内のテンションを高めていく。最前列のファンが持っていたCDにサインをする場面も。「Poland」では大合唱が巻き起こった。(小松香里) ※マネスキン(ヘッドライナー)のレポートはRolling Stone JapanのWEBに掲載中
Rolling Stone Japan 編集部