「Apple Intelligence」登場--OSに統合されたアップル製AIの多様な機能
Appleの写真編集と検索の新機能 「Google Pixel」の「Magic Eraser」のような、AI対応の新しい写真編集機能「Clean Up」が、Appleのデバイスに追加される。このツールは、背景に写り込んだ邪魔な物体を識別して削除し、背景を再生成する。意図せず写真に紛れ込んだ物や人などの被写体を削除するのに最適だ。 Appleは自然言語による写真と動画の検索機能をPhotosアプリに追加する。この機能では、ユーザーがプロンプトを入力して、写真や動画、さらには動画の一部も検索することができる。「Find a photo of that starfish we found at the beach last summer」(去年の夏にビーチで見つけたヒトデの写真を探して)と伝えると、iPhoneがその写真を表示してくれる。何千枚もの写真をスクロールしてその1枚を見つける必要はない。 Photosでは、テキストプロンプトを入力して「Memory」動画を作成することも可能になる。これは、ユーザーが入力した説明と「Apple Music」からの音楽の提案を基に、動画と写真を組み合わせて作成される。 システム全体に組み込まれたAIテキスト生成の機能 システム全体に組み込まれた新しい「Writing Tools」が、iPhone、iPad、Mac向けに提供され、テキストのリライト、校正、要約をAIによって支援する。返信をすばやく生成できるほか、長文のメールを要約して内容を確認することができる。 同じ機能を利用して、テキストに大幅な編集を加えることが可能だ。たとえば、もっと共感を得られるように文体を変更することや、校正によって誤りを見つけることができる。 Appleのデバイスでは、「Voice Memos」と「Phone」の録音や書き起こしもAIでアップグレードされ、ユーザーは音声メモをAIによって素早く書き起こすことができるようになる。 「Image Playground」とは Messages、Photos、「Notes」「Keynote」「Freeform」「Pages」、そしてサードパーティーアプリで、AIを用いた画像生成を可能にするのが、Image Playgroundだ。画像は「Animation」「Illustration」「Sketch」のスタイルで生成することができる。 たとえばNotesアプリでは、「Image Wand」という新しいツールを使用してラフなスケッチを囲み、オンデバイスAIを使ってImage Playgroundに周囲の領域からアイデアを取得させ、画像を生成する。 Image Playgroundは、米国では2024秋にベータ版が提供され、一部の機能は今後1年間をかけてリリースされていく予定だ。 ChatGPTとiPhone、iPad、Macの統合 Appleは、AI関連の最新情報を多数発表した一方で、ChatGPTの開発元であるOpenAIとの新たな提携のうわさについて認めた。この提携により、Appleのシステム全体に組み込まれたWriting ToolsとSiriにChatGPTが統合される。 Siriがユーザーからリクエストを受けた際に、ChatGPTで処理した方がよいと判断した場合、SiriはプロンプトをChatGPTと共有してよいかをユーザーに尋ねる。その後、ChatGPTの応答が同じウィンドウに表示される。 Appleによると、ChatGPTの統合にはプライバシー保護が組み込まれており、IPアドレスが匿名化され、リクエストはOpenAIに保存されないという。ChatGPTは、iPhone、iPad、Macにおいて無料で使用できるようになるが、デバイスが最新のOSに対応している必要がある。ChatGPTの有料ユーザーは、追加の「ChatGPT Plus」機能にアクセスすることができる。