マウンドで雄たけび 木更津総合・越井が166球の力投 センバツ
第94回選抜高校野球大会は第3日の21日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、昨秋の関東大会4強で6年ぶり4回目出場の木更津総合(千葉)が、山梨学院との関東勢対決を制した。木更津総合は、エース右腕・越井颯一郎(3年)が延長十三回を1人で投げ抜いた。 【写真でみる】山梨学院 vs 木更津総合 冬場に磨きを掛けた制球力で、内外角を目いっぱい使い分けた。140キロ台の力強い直球に変化球を織り交ぜ、最大40キロ以上の球速差も存分に生かした。木更津総合の越井が緩急自在の投球で、昨秋のチーム打率4割超の山梨学院打線を手玉に取った。 互いに1―1で譲らず、無死一、二塁で始まるタイブレークに突入した延長十三回。先攻の山梨学院は先頭打者が犠打を試みたが、マウンドから駆け下りて打球を処理した越井は素早く三塁に送球し、二塁走者を封殺。1死一、二塁に変わり、9番・榎谷を迎えた。 上位に打順を戻さないために何としても併殺がほしい場面で、1ストライクからの2球目は、外角低めに糸を引くような直球。積極的に内角を攻め続けていたことも奏功し、注文通りのセカンドゴロ。マウンドで雄たけびを上げながら投じた166球で、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。 越井も2番手で登板した21年夏の千葉大会決勝は、タイブレークの末、サヨナラで敗れた。五島監督が「先輩の負けを覆してくれた」と感慨深く話すと、越井も「先輩たちのおかげ(で勝った)と伝えたい」。絶対的エースの力投で昨夏の雪辱を果たしたチームが、虎視眈々(たんたん)と上位を見据える。【川村咲平】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。