琉球ゴールデンキングスの新たな起爆剤、ケヴェ・アルマは今季最多得点もチームファーストの献身性を強調「あくまでチームゲーム」
ベテランのサポートに感謝「常に僕たち若手をプッシュしてくれます」
現在、5連勝中の琉球だが、10月23日の水曜ゲームで島根スサノオマジックに61-98で大敗した。「35点差以上で負ければ、それは目を覚ます試合になります」と振り返るアルマは、島根戦の反省を経たチームの変化をこう見ている。 「メンタリティーは違っていると思います。島根戦は立ち上がりからフィジカルに来る相手に対して受け身になってしまいました。そこで守備から立て直そうとしたけど、流れを取り戻すことができなかったです。今は立ち上がりから自分たちもフィジカルに戦って良いスタートを切れている。それが、最初から流れをつかむ助けになっています」 今オフ韓国リーグのKBLから加入したアルマは、まだ25歳と若く、不用意なミスやファウルなど荒削りな部分は否めない。だが、今夏のNBAサマーリーグではセブンティシクサーズの一員として出場して爪痕を残した、非凡な能力を披露している206cmのオールラウンダーだ。特に、速攻や見事なあわせのプレーから繰り出す豪快なダンクは、チームに大きな勢いを与え起爆剤として頼もしさを見せている。 まだ成長途中のアルマにとって、同じインサイド陣を構成するのがジャック・クーリー、ヴィック・ロー、アレックス・カークと経験豊富なメンバーたちなのは大きなプラスとなっている。プロ1年目の2022-23シーズンに新潟アルビレックスでプレーしていた経験がある彼はこう語る。 「2年前、ジャック、ヴィック、AK(カーク)と戦ったことがあり、彼らのことは知っています。彼らからいろいろと学ぶことができています。みんな素晴らしい人たちで一緒に過ごすのは楽しいです。そして試合になると、みんなスイッチが入っている。彼らと一緒にプレーできて嬉しいです」 さらにアルマは、「ベテランたちは、常に僕たちをプッシュしてくれます。そして自信を与えてくれる。彼らの存在は、僕だけでなくマツ(松脇圭志)、ワキ(脇真大)と若手の成長を助けてくれます」と、チーム内の雰囲気の良さに笑顔を見せる。 サイズと跳躍力を生かしたインサイドアタック、アウトサイドシュートを備えたアルマは、多彩なオフェンススキルを備えている。その中でも自身の特徴を「僕の強みはシューティングで、3ポイントが得意です。ディフェンスでは、マークして相手にくらいついてイライラさせることができます。この2つが僕における一番の武器だと思っています」と語る。 実際、ここまでアルマは平均13.3得点、5.6リバウンドに、フィールドゴール成功率53.1%、3ポイントシュート成功率42.2%、フリースロー成功率88.5%とトップシューターと言える数字を残している。1試合平均4.1本という試投数が示すように、3ポイントシュートも積極的に放っている。ハイライト映像でよく取り上げられる豪快なダンクに加え、これからは非凡な長距離砲でもより注目を集めるはずだ。
鈴木栄一