ビル防火改修「増築スペースない」 支援事業の実績2棟のみ 大阪・北新地放火事件3年
多くの死者を出した千日デパート火災(昭和47年)や大洋デパート火災(同48年)以降、さまざまな対策が進められ、一定の成果をあげてきた。
一方で、北新地のような悪質な放火により死者が多数出るケースは現在もある。しかし、そういった放火への対策として全ての建物に厳格な構造を求めるのは負担が大きくなりすぎる。放火に不安のある施設は、自主的なスプリンクラーの設置や改修で、少しづつ安全な方にシフトしてもらうしかない。
消防庁が民間事業者と進めるガソリン火災への対策、消火剤シートは一つの発明として期待できる。安価での販売が可能になれば、多くの建物で導入のインセンティブがうまれ、安全対策の向上につながるだろう。いずれにしろ安心・安全と社会経済活動への負担のバランスを考慮した対策を取ることが大切だ。(聞き手・木津悠介)