<ラグビー>スコットランドに連敗した新生ジャパンの課題とは?
それでも勝ったのは、蒸し暑いスタジアムでミスし続けたスコットランド代表だった。いくらジャパンに攻め込まれても自陣ゴール前での防御でしのぎ、首尾よく敵陣に入り込んでペナルティーゴールを重ねた。 この日のマリウス・ミトレアレフェリーは、判定基準にややぶれがあったか。スクラムで押し込んだ側を反則とすることも多く、最前列中央で組むフッカーの堀江主将も、「話を聞いてくれない感じではあった」と認めた。 そのミトレアレフェリーを味方につけたのは、スコットランド代表だった。イングランド大会中には最小の反則数を誇っていたジャパンは、スコットランド代表8に対し、18の反則数を記録した。笛に泣いたのは、2試合連続でのことだ。 ハメットHC代行が「無礼な扱いを受けた」と怒りをあらわにする一方、イングランド組であるスタンドオフの小野晃征はこう課題を語る。 「今度のレフェリーはこんなところでこんな笛を吹くよ…といったことを研究して、それを普段の練習から意識しないと。ワールドカップの時もそうしていた」 とりわけスクラムに難儀した。後半途中から最前列のメンバーを少しずつ入れ替えていったのだが、堀江主将と代わって入ったフッカーの木津武士はこう悔やむ。 「前半から出ていた選手のフィードバックによれば、バインド(組み合う瞬間に)でプレッシャーをかけてもいい、と。その通りにしたらアーリーエンゲージ(レフェリーの合図より速く組む反則)を取られたり…」 戸惑いを抱えて迎えた後半30分。自陣10メートルエリアのスクラムでコラプシング(故意に崩す反則)を犯す。途中出場のスクラムハーフ、グレイグ・レイドローに勝ち越しペナルティーゴールを決められた。16-18。勝ち越しを許した。 日本代表はこの6月、3つのテストマッチ(国際間の真剣勝負)をこなした。現地時間11日に敵地バンクーバーであったカナダ代表戦を含め、1勝2敗で戦い終えた。