「男性更年期障害」の症状チェックリスト 当てはまる人にはどんな治療法があるの?
男性更年期障害の治療法とは
編集部: どうやって治療するのですか? 松本先生: 血液検査の結果により、著しくテストステロンの分泌量が低下していることが明らかな場合には、テストステロン補充療法(ホルモン補充療法)を行います。経口剤、注射剤、経皮吸収型製剤がありますが、保険が適用となるのは注射のみとなっています。 編集部: 即効性はあるのですか? 松本先生: はい、多くの人が治療を開始して1ヶ月以内で効果を感じられると思います。 編集部: そのほか、どのような治療法があるのですか? 松本先生: そのほか漢方薬を処方することもあります。また、性機能が低下している場合にはED治療薬を併用することもあります。 編集部: 男性の更年期障害が疑われる場合には、何科を受診したら良いのでしょうか? 松本先生: 一部の泌尿器科や内科で診てもらえることがありますし、また医療機関によってはメンズヘルス外来などを設けていることもあります。ただし、一部の治療は自由診療となることもあるので、治療にあたってはしっかり医師に確認することが大切です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 松本先生: 男性の更年期障害の症状は多岐に渡り、身体的なものから精神的なものまでさまざまです。そのため、「うつっぽい」という理由で精神科などを受診する人も多いのですが、実は、原因は精神的なものではなく、男性の更年期障害だった、ということも少なくありません。 また、抗うつ剤や抗不安薬を服用すると、更年期障害の症状が悪化することもわかっており、一旦抗うつ剤などの服用を中断し、ホルモン補充療法などを行うと1ヶ月くらいで効果が見られ、症状から解放されるケースも多く見られます。 40代以上の男性で、仕事などでうつっぽい症状が見られるときには精神科だけでなく、男性更年期障害の可能性も検討してみると良いと思います。
編集部まとめ
男性更年期障害で仕事が手につかないとパフォーマンスが低下するだけでなく、パニック障害で車が運転できなくなることもあります。 その場合には事故につながり、危険なこともありますから、40代以降の働き盛りで心身に不調を感じる時には、男性更年期障害を疑い、受診してみると良いかもしれません。
【この記事の監修医師】 松本 昌和 先生(みらいメディカルクリニックグループ) 東海大学医学部医学科卒業、順天堂大学大学院医学研究科腎臓内科学講座修了。順天堂大学医学部腎臓内科学講座非常勤助教、医学博士。現在、みらいメディカルクリニックグループ代表。「内科らしい内科」を目指し、順天堂大学医学部附属順天堂医院にて研修後、同院の腎・高血圧内科に入局、腎疾患と透析医療に当たる。その後、有隣厚生会 富士病院、御徒町腎クリニックなどを経て現職。大学付属病院で勤務していた経験を生かし、大病院と町医者がそれぞれの立場や役割を担うことを重んじ、常に患者の側にたった高品質の診療を心がける。
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