イーロン・マスク氏は「政府効率化省」で「3割歳出削減」の大ナタをふるうか、かたやどの政党も八方美人の日本
■日本の民主主義の危機は財政基盤 確かに、民主主義の意思決定過程の正当性について揺らぐことについて、日本ではその懸念はないがアメリカではある。しかし、民主主義の礎となる財政基盤について揺らぐことについて、アメリカには懸念がないが日本にはある。 政権交代に慣れていない日本では、与党は八方美人的にどの有権者にも歳出増や負担減を振りまいて支持を集めようとしたがる。それは、民主党政権も、第2次以降の安倍晋三内閣の後でもそうである。そのような姿勢では、歳出は膨張する一方だし、それに見合うだけの税収を確保することもままならない。
衆議院で自民党と公明党だけで過半数を確保できない政治状況になっただけに、その懸念はますます高まっている。
土居 丈朗 :慶應義塾大学 経済学部教授