横浜DeNAの“ラミっている采配”は日本Sで史上最大の下克上を呼ぶか
ドラフト会議も終わり、プロ野球は、いよいよ今日28日から最大のイベント、日本シリーズに突入する。2年ぶり8度目の日本一を狙うソフトバンクが、セ史上初の3位チームの“下克上”でCSを勝ちあがってきた横浜DeNAを本拠地のヤフオクドームで2試合迎え撃つことになる。 両チームの予想先発は、ソフトバンクが千賀、横浜DeNAが井納。前日の監督会議では、工藤監督が予告先発をラミレス監督に持ちかけたが拒否された。「パの本拠地では予告先発をしてセの本拠地では予告なしではどうか」と再度、ソフトバンク側が提案したが、これは、運営サイドのNPBから拒否された。結局、予告先発はなしとなったが“前哨戦”から熱い火花が散った。 今シリーズの焦点は、2010年に千葉ロッテが3位チームから日本一になって以来となる7年ぶりの“史上最大の下克上”の行方だろう。2010年に、その“史上最大の下克上”という言葉を発信した元千葉ロッテの里崎智也氏は、改めて、「史上最大の下克上という言葉の定義は、3位チームが日本一になること。横浜DeNAは、まだセリーグCSでの史上初の下克上を果たしたという段階。史上最大の下克上という言葉を使うのは、まだ早いんです」と釘を刺した上で、その可能性をこう語る。 「可能性があるか、ないかと聞かれればあります。11年のCSの歴史で一度だけですが、過去に千葉ロッテが3位からの日本一を達成していますから、確率としてゼロではないのです」 ただ横浜DeNAの“史上最大の下克上達成”には、かなりのネガティブな要素があるという。 「CSは天候を味方につけました。今永、濱口を中継ぎで使ったり、第5戦では、先発の石田を1回で代えて三嶋にスイッチするなど、見事な短期決戦用の采配をラミレス監督が見せましたが、これも雨天中止が2試合あり、予定していた先発が飛んだからこそできた采配。日本シリーズでは、先発は4、5枚必要ですから、ヨーイドンで同じことはできません。奇策は打てないのです」 CSのファイナルステージでは、“ラミっている”と表現されたほどの“神継投”で「逆転の広島」と呼ばれた強力打線を封じ込めた。第4戦では、先発要員でチームの勝ち頭の今永を7、8回の2イニングにセットアッパーで使い無失点。第5戦では、新人の濱口を4、5回の2イニングに使って成功している。だが、里崎氏は、この“神継投”も日本シリーズでは「使えない」と見ている。