横浜DeNAの“ラミっている采配”は日本Sで史上最大の下克上を呼ぶか
それでも打線は、CSで3本塁打を放っている筒香を軸に覚醒、勢いづいている。 レギュラーシーズンの後半に不調だったトップバッターの桑原が、打率・364、4打点と好調で、5番の首位打者、宮崎も、打率・368をキープして打線を支えている。特に柴田が、打率・357で、ファイナルステージでの隠れた“シリーズ男”になって打線をつないでいるのも強みだ。 その点は、横浜DeNAが有利に見えるが、里崎氏は、「ソフトバンクも勢いでは負けていません。柳田が復帰、デスパイネを3番に置くなどのベンチワークも功を奏して勢いにのっていますし、何しろ中継ぎが点を取られていません」と、ソフトバンクの防御率ゼロの中継ぎ陣に注目している。 ソフトバンクは、楽天とのCSファイナルステージでは、2連敗からスタートする苦しい展開だったが、実は、先発が失点しただけで、守護神のサファテは、もちろん、石川、モイネロ、森、岩嵜の中継ぎ陣は、全員が、失点ゼロ。継投の展開に入ると、まったく打たれていないのである。先制しながらも中継ぎがこらえることができなかった広島の投手陣とは、そこが大きく違う。 また打線は、4戦連発、CS打率・368を誇る4番の内川を軸に、中村晃が打率・368、2本、3打点と絶好調で、最後に復帰して先発出場した柳田の存在も大きい。 その選手層の厚さに疑いはなく、ソフトバンク有利であることは確かだろう。 では、横浜DeNAが“史上最大の下克上”を果たすには何が条件になるのか。 「先発投手の出来だと思います。横浜DeNAは先発が5枚いますから、彼らが、どれだけゲームを作れるかでしょう。短期決戦は、めったなことでは乱打戦にはなりません。打ち勝つというより、守り勝つイメージを持つことでしょう」 里崎氏は、先発勝負だと見ている。 ラミレス監督も、ファイナルステージを突破した時点で、“セ界初となる下克上”を果たした理由を「投手陣の頑張り」としていた。井納、今永、ウィーランド、濱口、石田と、5枚の先発陣が、千賀、東浜、和田、バンデンハーク、武田と、繰り出してくるソフトバンクの強力先発陣との投げ合いに、どこまで踏ん張ることができるのか。異色のシリーズになることは間違いなさそうだ。