帝国劇場が小説に!執筆は作家、小川洋子さん 25年2月から文芸誌「すばる」で「劇場という名の星座」連載開始
帝劇〝最後〟の舞台「レ・ミゼラブル」が20日に開幕(2025年2月7日まで)する。小川さんは劇場で先行販売される「帝国劇場アニバーサリーブック NEW HISTORY COMING」の巻頭エッセーで新連載について触れている。
帝劇は1911(明治44)年に誕生し、現在の二代目は66(昭和41)年に開業。三代目は約5年を掛け、2030年に完成予定。地上29階、地下4階、高さ約155メートルの複合施設で、地下2階から地上4階に入る。
★東宝・松岡宏泰社長「東宝グループ一同、大変光栄に思っております」
また、帝劇を運営する東宝の松岡宏泰社長(58)は、「日本を代表する小説家である小川洋子さんに、帝国劇場をテーマにした小説を書いていただけることを東宝グループ一同、大変光栄に思っております。小川さんは、帝国劇場でお客さまに感動を届けてこられた俳優やスタッフの皆さん、そして、劇場の表裏で舞台を支えておられる、ポスターにクレジットのない劇場スタッフの皆さんにも熱心に取材を重ねてこられました。俳優、スタッフ、お客様が形作られた帝国劇場が、どのように描かれるのか楽しみです。初回の『ホタルさんへの手紙』を、小川さん、集英社のご厚意により、一足先に拝読しました。半世紀前の帝国劇場の客席で、温かなお客様とご一緒に、森繁久彌さんの歌声を直に耳にしたような、不思議な感覚が呼び覚まされました。小川洋子さんが織りなす帝国劇場の世界を、読者の皆様にも存分にお楽しみいただければ幸いです」とコメントを寄せた。
■小川洋子(おがわ・ようこ)
1962(昭和37)年3月30日生まれ。62歳。岡山市出身。早大第一文学部卒。88年に「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞、91年「妊娠カレンダー」で芥川賞を受賞。2004年に出版した「博士の愛した数式」はベストセラーになり、06年に映画化された。07年には仏芸術文化勲章シュバリエ、21年には紫綬褒章を受章。近年ではノーベル文学賞候補として名前が挙がるなど世界的に評価されている。