イグス、4年でケーブル売上高3倍目指す。半導体装置・工作機械向けなど拡販
ケーブルやケーブル保護管などを販売するイグス(本社・東京都墨田区、社長・吉田剛氏)は2027年までの4年間をめどに、ケーブルの売上高について、23年比で3倍への拡大を目指す。「日本の半導体製造装置向けを想定したケーブルをドイツの親会社と共同で開発して拡販したい」(吉田社長)考え。さらに工作機械向けでは高シェアを有するケーブル保護管の供給先にケーブルを提案する活動を続けるなどして拡販する。 同社はケーブル・保護管などの世界的メーカーであるドイツ・イグス社の日本法人として製品を販売。ケーブルでは産業機械やロボットの可動部などに用いるFAケーブルなどを手掛けている。 半導体関連・工作機械関連の需要は長期的に増加傾向と見込んでいる。半導体製造装置向けでは日本の顧客ニーズを的確に親会社に伝えて開発したケーブルを拡販したい考え。吉田社長は「価格面でのメリットに加え、高い柔軟性で曲げ半径を小さくし狭所配線が可能な製品の需要があるのでは」と見ている。 また保護管とケーブル、接続部品を組み合わせ顧客がワンタッチ接続で配線できる「レディチェーン」の提案を強化。加えて保護管納入先にケーブルを拡販する活動にも力を入れる。また工作機械向けについても保護管の顧客基盤を活用した拡販活動に引き続き注力する考えだ。 さらに販売拡大に向けて外勤・内勤ともに営業人員の増強を進める方針。加えて展示会にも積極的に出展する。またウェブを活用したPRにも引き続き力を入れるという。 ケーブルの加工を行うRC工場(栃木県那須烏山市)ではすでに在庫スペースの拡張を進め、売れ筋製品の即納体制が構築されている。またドイツのケルンにある親会社の本社工場では、新工場を建設中で年内にも稼働するという。親会社でのケーブルや保護管などの供給体制強化も、日本法人の拡販を支える見通しだ。