能登豪雨、翼音さんに最後の別れ 「14歳、これ以上悲しみない」
石川県能登地方を襲った記録的豪雨で連絡が取れなくなり、その後遺体で見つかった輪島市久手川町の中学3年喜三翼音さん(14)の葬儀が12日、市内の寺で営まれた。同級生や捜索に加わった地元消防団員ら多くの人が訪れ、涙を流しながら静かに手を合わせた。喪主の父鷹也さん(42)は参列者にあいさつし「14歳の若さで亡くなり、これ以上の悲しみはない」と声を震わせた。計14人が犠牲となった豪雨は発生から3週間となった。 【写真】「翼音は胸の中で生きていく」 突然の別れ、悼む声やまず
式場となった寺には、葬儀が始まる1時間も前から次々と弔問客が訪れた。入り口には翼音さんの制服やアルバム、愛用していたぬいぐるみが飾られ、堂内では生前の翼音さんをたどる映像が流された。 鷹也さんは「捜索していただいたたくさんの人たちに感謝申し上げます」とあいさつ。時折消え入りそうな声になりながら「泣いてばかりでは翼音が心配するから、これからも家族力を合わせて頑張っていきます」と語った。 海上保安庁によると、輪島市から約170キロ離れた福井港沖合で、漁船が遺体を発見した。