「最後の夏にベンチ外、スタンドで応援」は無意味? 元楽天・聖澤諒さんが考える野球部3年間の価値
野球だけではない…10代がスポーツをしなくなった時代に子どもに何を伝える?
――総務省の調査によると、野球だけでなく、バスケットやサッカーなど競技を問わずスポーツをしない10代が急増しているというデータがあります。(社会生活基本調査 / 平成8年社会生活基本調査 / 生活行動に関する結果 主要統計表)。現場でそのような傾向を感じますか? 聖澤:はい、感じます。公園でボールが使えないなどの環境の変化もありますし、子どもたちの体力低下も顕著です。ボール投げの記録や50メートル走のタイムが年々下がっています。また、運動会でも順位をつけないなど、競争を避ける傾向が強くなっています。 しかし、勝負事を経験することは子どもの成長にとって重要です。勝った喜び、負けた悔しさを通じて、努力することの大切さを学びます。社会に出れば必ず競争は存在するので、小学生のうちからその経験をすることが大切だと考えています。 ――確かに、スポーツを通じて学べることは多いですね。野球と勉強の両立について、アカデミーではどのように指導されていますか? 聖澤:かつては野球の実力だけで強豪校に入学できる時代もありましたが、今は違います。どの高校でも学業を重視していますし、甲子園に出場する強豪校でも勉強ができる選手が多くなっています。 そのため、野球の練習時間を減らして勉強の時間を確保するチームも増えています。野球をするにも、将来の選択肢を広げるためにも、勉強は重要だということを指導しています。
nobico(のびこ)編集部