【少数与党で新たな日本政治を】連立ではない政策協議が生み出すもの、総選挙が可能にした政治実験を成功させよ
日本の政治に改革を
例えば「ニューヨーク・タイムス」などは、今回の選挙結果を「カオス」だとして、安定していた日本の政治が流動化しているとして危機感を煽っている。また、米国の国務省筋には、日米安保における地位協定の問題が政治的論点になっていることに不快感を示す向きもあるようだ。しかし、そのような雑音は言わせておけばよく、外圧を恐れて政治を「小さくまとめる」ようでは最終的に民意は離反してゆくであろう。 総選挙後30日以内に首班指名をせよという、憲法上の期限にはまだ時間がある。何よりも、数日後に迫った米大統領選の結果も日本の政局に影響を与えるのは間違いないであろう。 その結果として、次の内閣としては思いがけない人物が、思いがけない政党の組み合わせによって担がれる可能性は残っている。けれども、仮に石破首相が少数与党に甘んじるという政治的賭けに出て、国民民主など中道政党が実験的にパーシャル提携に乗るのであれば、それはそれで意味のある政治的実験になると考えられる。
冷泉彰彦