人気が無ければリストラしかないのか ゆるキャラ「いしぴょん」の生きる道
ゆるキャラの世界にリストラの波が押し寄せている。 宮城県石巻市のゆるキャラ「いしぴょん」の活動が、最近めっきり減っている。2010年11月から、東日本大震災直後の2011年4月以外は、ほぼ毎月更新をしていたブログが、2015年3月27日を最後に1年以上更新されていない。Twitterもリツイートを除き、同3月28日の投稿以降つぶやかれていない。(2016年5月8日現在) 2006年に登場した彦根市のゆるキャラ「ひこにゃん」が火付け役となり、ゆるキャラブームが巻き起こって以降、2010年から開催されているゆるキャラグランプリは、初回は200体に満たなかったエントリー数は2015年には1727体に急増した。このブームに乗り、千葉県船橋市「ふなっしー」、熊本県の「くまモン」といったスターが続々と誕生した。その陰で、地元の人にもほとんど知られていないゆるキャラも次々と生まれ、人知れず姿を消している。2014年には大阪府に数十体あったゆるキャラが大量リストラを受け「もずやん」に一本化するなど、ゆるキャラを見直す自治体もでてきている。 いしぴょんは、2008年に石巻市のイメージキャラクターとして誕生した。2009年10月には観光PRキャラクターとして、いしぴょんとその友だち「いしぴぃ」の2人組「いしぴょんず」が着ぐるみ化される。
いしぴょんが誕生する以前の2001年、石巻では「仮面ライダー」や「人造人間キカイダー」の代表作で知られる漫画家石ノ森章太郎さんの漫画の世界に触れる事ができる石ノ森萬画館が設立されて以降、「漫画の街」として街づくりが進められてきた。「サイボーグ009」や「秘密戦隊ゴレンジャー」など、石ノ森作品のキャラクターのオブジェが中心街の各所に設置されている。また、石ノ森さんが描いたデザイン画が原案となっているご当地ヒーロー「シージェッター海斗」は10年以上活躍する人気キャラクターだ。これらの人気キャラクター達の影に隠れ、いしぴょんも見直しを余儀なくされてしまったのだろうか。