万引き繰り返す病『クレプトマニア』を克服した女性 「腐るほど全部盗んだ」6回の逮捕…家族の苦しみ 原因や治療方法は?
■祖母の葬儀の時にも喪服で犯行に…家族の苦しみ
残されたのは、家族を苦しめる現実でした。 【Aさん(50代)】「おばあちゃんのお葬式(の際)にも、喪服で脱走して取りに行ってたし。母はさっき『知ってたよ』って言ってた。その時、喪服で脱走するくらいでも抑えられなかったし、子供たちの入学式、卒業式、修学旅行はどっかの留置場に捕まってたし」 【Aさんの母親】「子供たちがあの環境でどうして過ごしてたのかなって思うとかわいそうで。孫たちも私がほとんど育てましたけど、素直でいい子に育って」 そこから抜け出せたのは、6回目に逮捕された時についた弁護士から、病院を紹介されたからです。
「赤城高原ホスピタル」は、クレプトマニアの治療に特化した病院。Aさんはここで2年入院した後、今まで1度も万引きをしていません。 退院した後も3カ月に1回ここに通い、クレプトマニアに悩む患者たちに自らの経験を伝え、励ましています。 【Aさん(50代)】「今、私の中ではちょっぴり万引きをやめている状態を続けていっている感じです。決して回復、やめたと思ってない。いつ落とし穴に引っかかるか。だから落ちてるものも拾わないし、触らないし、迷ったら買う。簡単なこと」 今もクレプトマニアに悩む患者たち、およそ30人がここに入院しています。 【患者】「人間関係もうまくいかなかったし、仕事もうまくいかなかった。それから万引きをするようになってしまって、それが生きがいになってしまってやめられなくて」 【患者】「散々、刑務所に4回も行って、やめたくないしやめられないし。お金がもったいないからとか物がタダで欲しいからとか、そういうことじゃなくて。それもありますよ。でも、それの根っこの方には『こんなすごいことができちゃうんだぞ、自分』っていうところだったり、ドキドキ、ハラハラするスリルが快感になったりだとか」 赤城高原ホスピタルでは、冷蔵庫の上に防犯カメラを設置してポスターを貼ったり、職員が見張る中で売店で買い物をさせたり、回復に向けた「訓練」を行っています。
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