パリ五輪でラケット折られ敗退の世界1位・王楚欽 因縁マッチ雪辱で4強「五輪のことは全く考えてなかった」特別な感情ないと強調
「卓球・WTTファイナル」(22日、北九州市立総合体育館) 男子シングルス準々決勝が行われ、世界ランク1位の王楚欽(中国)が、同10位でパリ五輪銀メダルのトルルス・モーレゴード(スウェーデン)を3-1で破り、4強入りを決めた。王楚欽はパリ五輪の大会中にラケットを報道陣に折られるアクシデントが発生し、予備用ラケットで臨んだシングルス2回戦でモーレゴードに敗れる波乱があったが、それ以来の再戦で雪辱を果たした。 【写真】敗者を気遣う王楚欽 特別な感情はなさそう 今夏のパリ五輪以来の因縁マッチとなったが、中国のエースが今度はしっかりと勝ち切った。勢いに乗らせると手がつけられない難敵モーレゴードをねじ伏せ、北九州市に詰めかけた多くの中国応援団に報いた。ただ、因縁マッチに特別な感情はなかったと強調し、「五輪の試合のことは全く考えていなくて、今日は自分自身のパフォーマンスに集中した。今日もいつもと違う試合ではなく、普通の試合として臨んだ。準決勝に行けることはうれしいし、次もいい試合をしたい」と汗を拭った。 王楚欽は今夏のパリ五輪で、最初の出場種目だった混合ダブルス決勝で勝利した際、歓喜の中で押し寄せた報道陣にラケットを折られるという前代未聞のアクシデントに見舞われた。 金メダル候補としてシングルスに臨んだものの、使い慣れたラケットを使えないハンデは大きく、2回戦のモーレゴード戦でまさかの敗退。メダルにすら届かなかったが、試合後にラケットの影響を問われると「まあ、実際には間違いなくそうなります」と淡々と話しつつ、「多くのミスを犯したことが敗因。今日の自分には勝つ力がなかった。相手も非常に闘志が強かった。ラケットは関係ない」と、潔く敗戦を受け入れていた。