「1日1回笑う」「写真を撮る時はカニのポーズ」「大声で川口が大好きだと叫ぶ」…こんなにある全国の「ご当地条例」
●おにぎりの具は「梅干し」、リンゴは「まるかじり」
特産品に関する条例はまだまだあります。注目を集めてきた一つが、和歌山県みなべ町の通称「梅干しおにぎり条例」です。「日本一の梅の町」を自負するみなべ町は、町民がおにぎりをつくる際、具に梅干しを入れることを推奨しています。 リンゴの名産地である青森県には、リンゴに関する条例がたくさんあります。たとえば、板柳町にはリンゴをまるかじり普及に努める「りんごまるかじり条例」があります。弘前市には、「りんごを食べる日を定める条例」があり、毎月5日はりんごを食べる日となっています。 ミカンが特産品の愛媛県伊方町には、「みかんジュース蛇口貸出要項」が定められています。その名の通り、ミカンジュースが出る蛇口を無料で貸し出してくれるというものです。ただし、使用するジュースは、伊方町産100%、もしくは愛媛県産100%でなければなりません。 三重県名張市には「『食べてだあこ』名張のお菓子でおもてなし条例」があります。「食べてだあこ」とは、地元の言葉で「食べてください」という意味だそうです。名張市は古くから伊勢神宮への宿場町として栄えており、お茶菓子で旅人をもてなしていたことから、そうした文化を次世代に伝えていくことを目的に、定められました。
●「電車に手をふる」「70歳代を高齢者と言わない」
特産品の普及以外にも、まちづくりを進めるための条例があります。 豪雪で知られる秋田県横手市には、「雪となかよく暮らす条例」が定められています。条例では、「全国でも指折りの雪の多いまち」という横手市で、自然の恵みとして雪を積極的に受け入れ、魅力ある雪国をつくることが目的だそうです。 全国に先駆けて、新たな制度をつくった町もあります。情報公開制度は、山形県金山町が1982年、日本で初めて制定しました。国の情報公開法の施行は2001年ですので、それよりも約20年も早く定められたことになります。 福島県只見町や新潟県魚沼市などでは、電車に手を振って訪れた人をもてなそうとする「只見町只見線にみんなで手をふろう条例」をもうけています。只見線とは、福島県と新潟県をつなぐ路線で、「地域住民の只見線に対する愛着を深め、力強く走る只見線を応援することを目的」としています。