爆発的スピードで仙台の反撃担ったFWオナイウ情滋の悔い「あれを決められるかで選手としての価値が決まる」
[12.7 J1昇格プレーオフ決勝 岡山 2-0 仙台 Cスタ] 0-1で迎えた後半からの出場でゲームチェンジャーとなり、ベガルタ仙台に勢いをもたらしたFWオナイウ情滋だったが、決定的なシュートやクロスがゴールにつながることはなかった。悔いが残ったのは後半8分の決定機。爆発的なスピードを活かして裏抜けを見せたが、右足シュートがGKスベンド・ブローダーセンのビッグセーブに阻まれた場面だ。 【動画】アウェー中国戦の裏で起きていた珍事…日本代表FWがSNS上の声に反応「わざと」 「自分は『シュートに持っていくところまでは…』とか、『クロスまで持っていくところまでは』とか、『動き出しのところまでは』とか、そういうところが多すぎる。その後のクオリティーをもっと高めていかないといけない。チームの練習中でもこだわってやっているつもりだけど、あれが決まらないということはまだ足りていないということ」(オナイウ) オナイウのスピードがなければ決定機につながらなかった場面ではあったが、評価されるのは結果。真摯にその現実と向き合った。 「あれを決められるか決められないかで選手としての価値が決まる一瞬だったと思う。あれを決められないということはそこまでの選手ということ。逆にあれを決められるようになればもっと自分の価値が上がるというのも見えた。いまは悔しい気持ちが強いけど、悔しかっただけで終わらせるのはもったいなさすぎる。今季を通して悔しい思いも嬉しい思いも色々あったけど、しっかりと自分ができたこと、できなかったことを振り返りたい。今季の全部が表れたのがあのシーンだと思うので、しっかり胸に刻んで、あれを決め切ってチームの勝利に近づける選手になりたい」 新潟医療福祉大から仙台に加入し、2年目の今季はJ2リーグ戦でキャリアハイの32試合に出場し、Jリーグ初ゴールを含む2ゴール4アシストを記録。J1昇格プレーオフでも2試合ともジョーカー起用されるなど、森山佳郎監督のもとでキャリアを大きく前進させる1年となった。 それでも前半戦は先発起用が続いていたのに対し、後半戦はFW郷家友太のサイド起用が増えたのを受け、途中出場が増加。チーム内での序列を突きつけられる悔しさも経験した。オナイウ自身、一つ一つのプレーの安定感に課題を感じていたという。 「友太くん、モッくん(FW中島元彦)のように長い時間、信頼して使われている選手は当たり前のように失わずにプレーできるし、当たり前のようにパスを通す。自分は当たり前のことでも気を抜くとミスになったり、相手が寄せてきた時に慌てて持ってしまって、次の選手につなぐときに慌ただしさが伝播するプレーになったり、そのちょっとした安定感が僕には足りない。友太くん、モッくんはベストな日じゃないなって日でも最低限のラインが高い。自分は今日良くないなって日はとことん良くないプレーが多い。次から使うのは躊躇うよなと自分で思うようなプレーをしてしまっているので、安定感をもっと求めてやっていきたい」 その課題はプロ3年目の来季につなげていく構えだ。 「自分みたいなタイプの選手をゴリさん(森山監督)が思い切って使ってくれたことが自分にとって大きな要素になった。でもその中でもっとコンスタントに、ゴリさんが『もうコイツは代える必要はないな』と思えるくらいのプレーを見せないといけなかった。それができていないことを体感できたことが一番の収穫」 「来季またゴリさんのもとでプレーできるのであれば、自分を使わないと後悔するというくらいの気持ちでもっとやりたいし、今季試合に出ている時は今日のようなプレーをいくつか出せる手応えや自信は掴めたので、自分が出れば何回もあれができるというのをゴリさんに見せつけて、もっと出場機会を増やして、もっと数字を増やして、もっとチームに貢献していきたい」