先端技術があなたの五感を揺さぶる!?葛飾北斎の世界に没入できるイマーシブアート展「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」が2025年2月から東京で開催
江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の作品の世界に没入できるイマーシブアート展「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」が、東京都渋谷区の東急プラザ渋谷にて、2025年2月1日(土)から6月1日(日)までの期間で開催される。日本が誇る文化資源を最新技術で再構築し、世界中の人たちに体験してもらうコンテンツを創生する事業「ANOTHER STORY」の第1弾として開催されるこの展覧会は一体どのようなものなのだろうか。 【写真】五感に訴えかける“超没入体験”を可能にした先端技術を見る ■床が水たまりや砂浜に変化!?五感を揺さぶる先端技術を紹介 本展覧会では、超高精細イメージデータや触覚提示技術といった先端技術を用いて、葛飾北斎が見た景色や歩いた感覚に入り込める次世代型イマーシブ体験が提供される。「映像×サウンド×触覚」で、葛飾北斎が生きた江戸の浮世にタイムスリップしたような新感覚を実現させる先端技術を2つ紹介! ■原画の和紙の繊維1本1本まで忠実に再現「特許技術DTIP」 株式会社アルステクネが特許取得している「DTIP」は、絵画から質感や立体感、サイズなどの情報まで読み取ってデータ化し、特殊な画像処理システムによって合成させる、高品位3次元質感画像処理技術だ。今回の展覧会では、新千円札の参考元絵として選定された山梨県立博物館所蔵の作品が、この技術によってデジタル化。超高精細イメージデータにより、和紙の繊維の1本1本まで目で触るようなリアリティを体感することができる。 ※DTIP:Dynamic Texture Image Processingの略 ■触覚を疑似的に再現する「触覚提示技術」 ソニーPCL株式会社が提供する先端技術は、触覚に訴えかける「ハプティクス」技術。ハプティクスとは、振動で触覚を人工的に作り出し、疑似的に再現する技術のことで、その振動の繊細な感触や激しい衝撃によって、今まさに触れているような没入感が生み出される。 今回の展覧会では、床に搭載された振動デバイスが、映像やサウンドに合わせて震えることで、床が水たまりや砂浜に変わったかのように感じさせるインタラクティブ性が実現されている。また、多彩な振動フィードバックを実現するために、数少ないセンサーで微細な変化を検知する技術が搭載されている。北斎の作品に入り込み、空間を超越したような体験を実現させる技術は要注目だ! ■担当者にインタビュー!日本文化と没入体験にかける熱い想いとは? 今回の「HOKUSAI : ANOTHER STORY」製作委員会の担当者に、開催の意図や、イベントにかける想いなどについて聞いてみた。 ――今回の「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」の開催に関して、意図やターゲットなどについて教えてください。 「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」は、特色ある日本の文化資源を先端テクノロジーで再構築し、世界中の人たちに体験してもらうコンテンツを創生するプロジェクト「ANOTHER STORY」の第1弾として開催します。このプロジェクトには、アート作品が持つ本来の魅力を先端テクノロジーを用いて、新しいアート体験の形で世の中に提供していくという想いが込められています。 従来の“イマ―シブ”と言われるコンテンツは、投影する映像の大きさなど視覚によるところが多いと思います。しかし、今回提供するさまざまな体験は、ソニーPCLの独自技術ソリューションにより、映像だけでなく、音、振動、風などを使って、視覚だけでなく五感をフルに刺激する今までにない没入体験となっています。 プロジェクトの第1弾には、日本が世界に誇れる絵師であり、西洋のアートシーンにも影響を及ぼした葛飾北斎をピックしました。インターネットもない江戸時代の絵師でありながら、海を超えてヨーロッパにも広く認知された彼の功績と、ANOTHER STORYのコンセプトが合致しており、第1弾にふさわしいテーマだと確信しています。世界に影響を及ぼした北斎同様、国内のみならず、海外から日本にお越しの方にもぜひ“超没入体験”をしていただきたいです。 ――今回の展覧会のイチオシ、目玉となるものを教えてください。 今回の展覧会は、葛飾北斎の作品のなかで最もポピュラーな「冨嶽三十六景」を全体テーマとしています。なかでも、その全46図中の1つ「神奈川沖浪裏」を表現したメインゾーン「北斎の部屋」が「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」のコンセプトを最も深く体験できる展示ゾーンです。横幅15メートルを超える巨大なソニーのLEDディスプレイ「Crystal LED」に映し出される、高精細で臨場感あふれる映像や 、映像にあわせて緻密にデザインされた音・風・振動演出が一体となり、北斎が見た景色をリアルに追体験することができます。 ――日本が誇る文化資源を最新技術で再構築し、世界中の人たちに体験してもらうコンテンツを創生する事業「ANOTHER STORY」について、始めたきっかけや今後の展望など教えてください。 日本には世界に誇れる文化や芸能が多いですが、世界へ向けた発信に課題を感じていました。浮世絵や絵画を体験コンテンツ化する取り組みや、漫画を映画化する取り組みなどは数多く、そのなかにも素晴らしい作品がある一方で、原作本来の魅力が語れてないものもあると感じていました。特に海外向けに制作されている、いわゆる“The Japanese”コンテンツでは、日本人から見て誇張された表現や、どこかおかしな現実と異なる日本の描写に違和感を持つこともあります。 しかし、アメリカのエミー賞で史上最多の18部門を受賞した「SHOGUN 将軍」は、日本人から見ても日本の戦国時代がしっかりと表現されており、背景やディテールにこだわる素晴らしさに感動しました。そして同時に、日本の素晴らしい文化や芸術の背景や技術、アート性をしっかりと理解したうえで、新しい芸術体験を作り上げたいという想いが、プロジェクトをスタートしたきっかけでした。 今後の展望としては、「HOKUSAI : ANOTHER STORY」を東京以外のエリアや、日本文化に関心のある海外でも展開し、より多くのみなさまに体験いただけるように現在計画中です。また、「ANOTHER STORY」の次なるプロジェクトも企画進行していますので、今後ともぜひご注目ください。 ――最後に一言お願いします! 強い想いを持って制作しているこのプロジェクトですが、ぜひ気軽な気持ちでお越しください。他の楽しいスポットも数多くある渋谷での開催ですので、ご家族・ご友人と一緒に(もちろんお一人でも)ついでに立ち寄りやすい展覧会となっています。イマーシブコンテンツに慣れた方にも、きっと驚いていただける体験をご用意していますので、ぜひご期待ください。 また、日本のクラフトマンシップを持つブランドとのコラボグッズも発売します。具体的なコラボ内容は近日公開予定ですが、国内外の芸能人・著名人が愛用している日本発ファッションブランドや、日本の食文化を世界に発信するリカーブランド、世界的な評価を集める日本人アーティストなど、本プロジェクトと想いを共にするみなさんとのコラボレーションが実現しました。こちらもご期待ください。 チケットは各種プレイガイドより11月21日から販売中。日本文化への熱い想いと、没入体験を可能にする先端技術によって実現した「HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO」で、葛飾北斎の生きた江戸の時代を体験してみてはいかがだろうか? 【HOKUSAI : ANOTHER STORY in TOKYO 開催概要】 ■チケット料金:一般3500円、高校生・専門学生・大学生2200円、小・中学生1500円、未就学児無料 ■会場:東京都渋谷区道玄坂1丁目2-3 東急プラザ渋谷3階 ■会期:2025年2月1日(土)~2025年6月1日(日) ■主催:HOKUSAI : ANOTHER STORY 製作委員会 株式会社ギークピクチュアズ、東急不動産株式会社、株式会社RED、ソニーPCL株式会社、株式会社朝日新聞社 ■企画協力・画像提供 :株式会社アルステクネ ■監修 :久保田巖 ■原作品所蔵元 :山梨県立博物館 ■協力:文化庁 ■協賛:アビームコンサルティング株式会社 ■後援:J-WAVE ※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。 文=平岡大和
【関連記事】
- 浮世絵の世界に没入できるイマーシブ体感型デジタルアートミュージアムがついに東京で開催!「動き出す浮世絵展 TOKYO」が12月21日からスタート
- 国宝松本城がデジタルアートで幻想的に!昨年度大盛況の「国宝 松本城天守 プロジェクションマッピング 2024-2025」が12月14日より開催
- 創業350周年目前!初開催の「イマリ・キャンドル・クリスマス」で、伊万里焼の町の巨大えんとつがキャンドルに!?
- 東京ミッドタウン八重洲に伝統工芸「金継ぎ」モチーフのツリーが登場!金継ぎ体験のワークショップを通して石川県能登の復興支援も
- 築90年の酒蔵で酒と書をたしなむ個展「酒と文字」が開催!書道パフォーマンスや体験イベントも