円安が再加速 円独歩安の様相 次は為替介入か日銀の政策修正か
150円に迫れば日銀が政策修正か
今後ドル円が1ドル145円を超えて150円に向かうような事態になれば、次の為替対応は政府による為替介入ではなく日銀の政策修正(長期金利の変動許容幅拡大)になる可能性が高いと筆者は判断しています。筆者は日銀の政策修正に関する予想時期を、来年度の賃金動向(春闘)がある程度見通せるようになり、米Fedの利上げ終了に確信を持てるようになる10~12月頃とみていますが、それ以前に円安が進行すれば7月の金融政策決定会合における政策修正の可能性が高まるでしょう。 もちろん日銀が政策修正の理由に「円安」を挙げることはありませんが、政府と日銀の為替認識をめぐる協議において日銀に政策修正を迫る一因にはなると判断していま。また黒田総裁体制時における日銀の「準」公式見解とも言うべき「円安は全体としてプラス」という評価に対して、植田総裁がどういった為替認識を示すかも注目です。
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