「リアル書店」と「ネット書店」の違いとは!?たとえた漫画に反響、共感の声「わかりみが過ぎる」「俺を買えと主張してくる本は当たり」
「書店を応援する漫画を描けないか」
――描いたきっかけを教えてください。 昨今はネットで気楽に本を買えるようになったことに加え電子書籍の普及もあって、書店の売り上げは厳しい状況が続いていると聞きます。街から少しずつ本屋の姿が消えていくのを見る度に寂しい気持ちがあり、何かしら書店を応援するような漫画を描けないかと思ったのが作品作りのきっかけになりました。 ――エールが込められているのですね。 同じように本を購入するにしても書店には書店にしかない魅力があるはず、それって何だろう?自分は書店のどんなところに魅力を感じているのか、そういったことを考えながら描きました。
「読書という行為に未知を求めている」
――擬人化の場面が秀逸です。 これは私の印象ですが、ネット書店には効率的で合理的なイメージが、リアル書店には非効率的で非合理的なイメージがあります。こんな風に書くと、リアル書店には何もいいところがないように見えるのですが、実際には非効率的だったり非合理的なところに面白みが宿ることも多いように思います。漫画ではそんな私のイメージを絵で表現しています。 ――全く違う「購入体験」が描かれていますね。 ネット書店はきっとスマートかつ低負担で、最短距離を走り予定通りの場所に私を連れて行ってくれるでしょう。一方のリアル書店は、散々紆余曲折したあげく、まったくの予想外の場所へと私を連れて行ってしまうでしょう。 ――目的地を定めず「とにかく乗れ!!」と。 想定外の場所へと連れてかれてしまうのは困りもののようにも思うのですが、じゃあどちらの方がより満足度が高いのかと聞かれたら、存外後者なような気がするんですね。人によって考え方は違うと思いますが、私はそもそも読書という行為全体に対して、未知を求めているのかもしれません。 ――投稿が拡散し、共感の輪が広がりました。 ネット書店が市場の中心をなしている現代において、漫画の内容は共感してもらえないかもしれないと思っていたのですが、多くの方から肯定的な感想をいただくことができ、非常に嬉しく感じました。ネット書店が普及したことでかえってリアル書店の輪郭がはっきりしたというか、今まで当たり前だと思っていた魅力に気付く機会自体は増えたのかもしれません。
書店の経営者やスタッフの方からもコメントが
さらにパパ頭さんは「書店の経営者やスタッフの方からコメントをいただけたことも印象に残りました。皆さんそれぞれの立場で、リアル書店の役割や本の扱い方を考えてらっしゃる様子が伝わってきて、プロの気概に触れるといいますか、『かっこいいなぁ』と思いました」と語っています。 またパパ頭さんは日々、お子さんとの生活を描いたエッセイ漫画をアカウントに投稿中でご本も発売しています。 ◇「パパが育休とってみたら妻子への愛が深まった話」(パパ頭 著|KADOKAWA 刊行) (まいどなニュース特約・山本 明)
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