年収800万円の独身者ですが手取りがかなり少ないです… 増やす方法はありますか?
年収800万円の方は、月に約67万円の収入があることになります。しかし、実際に受け取る金額は、もっと少なくなっています。 収入は給与などとして支払われた額ですが、実際に受け取る手取り額は、税金や社会保険料が引かれた後であり、収入額よりも少ないものです。 この手取りを増やす方法はあるのでしょうか?
年収と手取り
1年間の収入となる「年収」は、会社から支払われた実際の金額となります。支払われた額から、所得税や住民税などの税金、社会保険料が引かれたりした後の額が、実際に受け取ることができる「手取り」です。 年収から給与所得控除が引かれた「給与所得金額」から、さらに基礎控除や扶養控除などの各種控除額を引いたものに、その他の所得があればすべてを合算したものが「課税総所得金額」となります。 この課税総所得金額に応じた所得税率が課されて、所得税額が決まります。また住民税の算出時は、手順が少し異なります。まず、給与所得金額から住民税の各種控除や社会保険料控除額を差し引いた額に、税率10%を乗じます。 その後、「均等割」という一律で5000円を足されたものが収入から引かれます。今回の年収800万円の独身者を例に、所得税と住民税の額を考えてみましょう。 額面の800万円から給与所得控除190万円を引き、610万円が給与所得金額となります。独身の場合は、後述する各種控除に該当するものがなければ基礎控除48万円と、社会保険料が引かれます。 社会保険料は、4~6月まで3ヶ月間の収入の平均額をもとに算出されます。厚生年金保険料は32等級、健康保険料は50等級の報酬月額に応じた、標準報酬月額によって決められます。 今回は便宜上、年収800万円を12ヶ月均等に受け取っていたと考え、収入の月額は約67万円であるとしましょう。 これは厚生年金32等級、健康保険36等級に該当します。毎月の自己負担額は、厚生年金保険料は5万9475円、健康保険料は(40歳未満の人であれば)3万4000円となります。また、社会保険の一つの雇用保険は、年収の総額に対して0.6%が自己負担額であるため、年間の負担額は4万8000円となります。 したがって年間の社会保険料の自己負担額は、厚生年金保険料が71万3700円、健康保険料が40万8000円、雇用保険料が4万8000円であり、合計116万59700円(約117万円)です。所得税は、下式のように算出します。 ・610万円-48万円-約117万円(社会保険料)=445万円 この445万円をもとに税金が計算され、46万2500円が所得税となります。また住民税は、610万円から基礎控除の43万円と上記の社会保険料を引いて、下式のように計算します。 ・610万円-43万円-約117万円(社会保険料)=450万円 450万円に10%(都道府県民税+市区町村民税)を乗じた45万円に、均等割の5000円を足した45万5000円となります。