映画館にシニア呼び戻す「ベルモンド作品」の魅力 仕掛け人の江戸木純氏が語った企画の経緯
実は香港でもベルモンドってものすごい人気なんですよ。それと今回はやらないですが、『ラ・スクムーン』に出てくる二丁拳銃や、過去の話がストップモーションで止まったりする描写なんてほぼ『男たちの挽歌』です。 1970年代の香港って基本的に香港の映画しかヒットしないところがあったんですが、『華麗なる大泥棒』なんかは年間の興行成績で上位になったりと、実はみんなベルモンドが好きなんですよ。 ジャッキーも昔はベルモンドが好きと言ってたけど、アクションの動き、扉から入らないで窓から出入りするとか、そういうところも影響を受けている。ベルモンドってそういうアクションもすごいし、役者としても本当にすごいので。その辺も見れば見るほど味があって。どれもオススメですね。
今回は最後なのでこれまで以上に成功させたいと思うんですけど。第1弾のときはベルモンドもまだ健在でした。だから「日本でもヒットしてますよ。お客さんもいっぱいですよ」と伝えたところ、ものすごく喜んでくれたんですね。 それで第2弾もたくさんのお客さんが来てくださったというのがあるんですが、その頃になるとコンタクトが取れなくなって。それから2021年9月にベルモンドが亡くなったあとに、第3弾は追悼上映のような形になってしまったんですが。
でもやはりベルモンドが生きてるうちに第1弾をやることができてよかったなと思いました。亡くなってから、追悼みたいにはじめるのは嫌だなと思っていました。とにかく30年近くかかりましたが、間に合ってよかったなと思います。 ■ブルース・リーとも交流があった倉田保昭さん ――現役といういう意味でもうひとりお聞きしたいのが、ブルース・リーとも交流を持ち、和製ドラゴンとして名高い倉田保昭さん。7月26日には、倉田さんの日本凱旋50周年記念として、1974年の香港映画『帰って来たドラゴン』のリバイバル上映が新宿武蔵野館ほかにて行われます。そこではなんといっても倉田さん主演の最新短編『夢物語』が同時上映となるわけですが、これが78歳にして現役バリバリのアクションを披露する倉田さんの姿を見ることができる映画だというのが驚きですが。