牛丼はもう高級品? 10年前は並盛200円台、大手3社の値上げの歴史
「すき家」は11月22日午前9時から、牛丼メニューを中心に商品の価格改定を行うことを発表しました。牛丼並盛はそれまでの430円から450円に、牛丼大盛は630円から650円に値上がりとなっています。 【画像:250円(税抜)だった頃のすき家の牛丼】 かつては200円台で販売されていたこともあり、「デフレの申し子」とも呼ばれた牛丼。一方で当時より、過剰なコストカットによる問題点も指摘されてきました。現在では、原材料費や人件費、光熱費の上昇に合わせた値上げを大手3社は行っています。 そこで今回は、松屋・吉野家・すき家の大手3社が値下げで競い合っていた2012年ごろを起点に、現在までの牛丼価格の変遷を見ていきましょう。 ※価格はすべて税込表示です(税抜と記載があるものを除く)
●松屋:プレミアム牛めしで低価格路線から大きく舵切
松屋は2012年1月より、牛めし並盛をそれまでの320円から280円に値下げしました。これが松屋の最低価格(キャンペーン時等を除く)となります。その後2年間その価格を守り続けますが、消費税率が5%から8%に引き上げられた2014年4月に、290円に価格改定となりました。 同年7月に松屋は印象的なメニュー改定を行います。チルド肉を使用した「プレミアム牛めし」(並盛380円)を投入したのです。新メニューという位置づけではありましたが、「プレミアム牛めし」実施店舗では通常の牛めしは販売されないことになったため、事実上の値上げとして消費者には映りました。 その後2021年には「プレミアム牛めし」に一本化し、価格はすべての店舗で並盛380円に統一されました。その後も2023年3月に20円、2024年7月に30円の値上げを行い、現在の並盛430円という値段になっています。
●吉野家:テイクアウト価格でお得感?
一方、吉野家は他社より少し遅れて低価格路線に追随しました。牛丼並盛200円台を付けたのは2013年4月になってからで、その時の価格は280円でした。1年後、松屋と同様に消費税増税のタイミングで値上げを実施。並盛300円になります。さらに同年12月には380円となりました。 2019年10月には消費税増税と軽減税率が全国的に施行されました。テイクアウトと店内飲食を同一価格とした他2社と違い、吉野家では軽減税率に合わせてそれぞれ異なる価格を適用。テイクアウトを並盛380円としたため、店内飲食では387円に。その後もこの「W価格」を保ったまま、2021年~2024年まで小幅ずつの改定を続け、現在の牛丼並盛の価格は店内飲食:498円・テイクアウト:489円となっています。