スマホリングが自助具に 当事者がくれた「さりげなく」の視点 難航の道のり、浮かんだ〝待ってくれる人〟
いつもは「当たり前」の仕事だったのが
日本クロ-ジャーは、企業同士の取引をメインとする、いわゆるBtoBのメーカーで、一般消費者との接点は限られています。ただ、今回の商品の開発で、生活者の具体的な顔が見える仕事ができたと二人は振り返ります。 大久保さんは、「メインの商品の『キャップ』は、あって当たり前、中身が漏れなくて当たり前。既存事業ではなかなか『助かった』『うれしかった』といった声を聞くことができなかったんです」と話します。 「でも、このスマホリングでは困っている当事者の方が感動してくれたんです」と、やりがいを熱く語ります。 そして今年6月、無事商品化にこぎ着けました。
展示会に出展、利用者の顔が見えた
この商品は、9月に行われた国際福祉機器展(H.C.R.)で出展し、実際に疾患を抱えた来場者などおよそ160人が購入したといいます。 その中には、現状の手帳型のスマホケースから、スマホリングを使うためのケースに買い替えると言ってくれた人、説明だけ聞いて一度その場を離れたものの「やっぱりほしい」と戻ってきてくれた人もいました。 スマホリング+キャップオープナーは、一般社団法人日本難病・疾病団体協議会(JPA)のECサイトをはじめ、ネット通販の楽天市場などで購入できます。今後、より多くの利用者に届けられるよう、販路拡大に向けて調整を進めているそうです。