「虎に翼」吉田恵里香が続編を書くならそのテーマは…?
――もう1クールやりたかったということですが、どんなテーマやキャラクターにフォーカス、掘り下げて描きたいですか? 「山田よね(土居志央梨)もそうですし、轟太一(戸塚純貴)、佐田優未(川床明日香)、星航一(岡田将生)、桜川涼子(桜井ユキ)、梅子さん(平岩紙)もヒャンちゃん(ハ・ヨンス)も一人一人に、これも描きたかったなというエピソードがいっぱいあり過ぎて。最終回もぎゅうぎゅうに詰まってしまったのも、『虎に翼』っぽいなと思って満足度はあるんですけど、女子部時代を含めて、もっと振り返りたかったですね」
――ここまでの中で、役者さんがお芝居をされることで、吉田さんが思い描いていた以上になったキャラクターはありますか? 「(名村辰演じる)小橋(浩之)がすごく愛されているなと思います。役者さんの力もすごくあると思うんですけど、私も後半になるにつれて、小橋の落としどころを意識していました。第11週の新メンバーとして、小橋と(松川尚瑠輝、演じる)稲垣(雄二)が出てくるっていう時点で、愛されてたってことだと思うので」 ――寅子の結婚式の時に、小橋と稲垣がいないことがネットニュースにもなっていましたね。 「小橋と稲垣は汐見とヒャンちゃんが結婚していることを、この時点では知りません。寅子を祝う場ではありますが、大前提としてヒャンちゃんが傷つかない気持ちでいられる人、安心して会える人を選んだのもあると思うんです。ヒャンちゃんは大人になった2人を知らないので。別に仲間外れにしたわけじゃないですよ。多分ね。寅子のことを考えたら、いるべき存在なんですけど、ヒャンちゃんをとりまく差別と植民地時代の問題があって、人間関係にもいびつさも生まれてしまうんですよね」
――キャラクターの役名には、名字しかない人、名前しかない人といますよね。名前の付け方には脚本家さんのこだわりが詰まっていると思うのですが、吉田さんはどのように考えているのでしょうか? 「私個人の考えでは、主人公がどう認識しているかが大きいので、(佐田)優三さん(仲野太賀)とか、ヒャンちゃんとか、『さん付け、ちゃん付け』で書く方が好みなのですが、今回は登場人物が多いのでそういう書き方はしていないです。作品と、その作品においてどういう役割かを大事にしている部分が大きいですね。なので今回はどちらかだけの人もいますし、フルネームの人もいますけど、そういうキャラクターとしてその場にいてほしいっていうのが大きかったんです。でも今回、名前にまつわることを作中で扱うことが多くて、だんだん後半になるにつれて、みんなフルネームを決めた方がいいかなと、自分の中のマインドの変化もありました」 ――憲法第14条を山田轟法律事務所の壁に書くアイデアは吉田さんから出たのでしょうか? 「私は紙に書いて壁に貼ってあると書いたので、まさか壁に書くとは思っていなくて。でも、『確かに、よねなら書くかも』と思いました。事務所にずっと残っていて、象徴として使われているので、すごく好きなセットですね」