<私の恩人>放送作家・高須光聖 笑いの原点は…松本人志のすごさにアリ!!
そんな中、やっぱり、松本は頭角を現していく。特に、スタッフとして「4時ですよーだ」に入ってからは、自分が強烈に面白いと思っていたヤツやし当然やという気持ちの一方、正直、どこかで寂しくもありました。 「松本」って呼んでるけど、どっかでは「松本さん」になっている。裏方と出役の差と言いますか。僕が「4時ですよーだ」に入った時は、スタッフでも一番下ですからね。一番のメインと一番下の自分。でも、友達なんです。この感じが、何とも言えませんでしたね。 どっかで、スタッフとタレントになっていかなアカンのか。同郷で、平等で、フラットだった人間がどんどん偉くなっていく。そのサマは寂しくもあり、悲しくもあり、でも、それが現実という、ね。 いろいろな感情を経て、今は普通に松本と呼べるようになりましたけど、松本は何がすごいって、小学校の時の形が今もそのまんまなんです。ただただ純粋に、笑ってほしいがためだけにやっている。面白いヤツだと思ってもらいたくてやっている。ホンマに、それなんですよ。 「ダウンタウンのごっつええ感じ」(フジテレビ系)の時なんかは、ホンマにズーッと考えてました。収録が終わっても、松本の家に行って、延々と話をする。その時に言っていたのが「10年後、同じように頂点を目指す芸人が出てきた時に『うわ、どんな笑いを目指しても、全部、ダウンタウンの足跡がついてる』となるようにしよう」ということでした。 ありとあらゆることを話してきましたけど、面と向かって、互いに心の内を明かすというのはないんですよね。1回だけ、今の吉本興業の社長さんである、大崎洋さんとご飯を食べている時に「松本が感謝してたで。あいつ『高須のおかげや』とオレに言うてたで」と言われたのが、間接的ながら、唯一、言ってもらった言葉です。ま、そんなん、直接言われたら言われたで、気持ち悪いんですけど(笑)。でも、ま、うれしかったですね。