<私の恩人>放送作家・高須光聖 笑いの原点は…松本人志のすごさにアリ!!
だから、3カ月くらいで松本に「やっぱり辞めようかな」って言ったんです。そうしたら「オレが『いける』って言うてんねんから、大丈夫やって」と。僕からすると、昔から、松本はすんごく面白いヤツやったんで、その松本が再びここまで言ってくれるということは…、ということで、もう一回考え直したんです。そこから、この仕事と本格的に向き合うようになっていきました。 松本と浜田(雅功)とは、同じ小学校やったんですけど、とんでもない衝撃を受けたのは、小学校5年の時でした。臨海学校で三重・伊勢志摩に行ったんです。3人とも違うクラスやったんですけど、晩御飯まで1時間半くらい自由時間があるということで、松本が当時からコンビを組んでいた同級生の相方と漫才をすると。それを見に行ったんです。 そら、もうね、面白い。学年中のヤツが爆笑してるんですけど、僕も、たぶん浜田も、笑えなかったと思います。あまりにも、すごすぎて。僕も、浜田も、それぞれ相方を作って、漫才みたいなことを学校でやっていたんですけど、まるで違う。 どういう漫才かと言うと、僕らの地元、尼崎の潮江という街に糸田川と熊谷という2軒の歯医者があって、その先生が街でバッタリ会って、ケンカになっていくという内容やったんです。 今となれば、分かるんです。設定の妙なんです。その2つの歯医者は潮江の人間には小さな頃から刷り込まれている存在。学年中の人間が何度もその歯医者に行ってて、先生の顔も知ってて、しゃべり方も知ってる。その2人が街で会って、ケンカを始める。その時点で、もう面白いんです。大人になって、笑いの仕組みが全部分かって、やっと仕組みが分かりましたけど、今考えても、すごい設定です。 そんな存在でしたから、松本が吉本興業のNSCに入ると聞いた時、僕はイケると確信していました。ただ、それと同時に、世の中には、もっとすごいヤツもいるんじゃないか、とも思った。