一気に上空300メートルへロケット駆け上がる 400年超える秩父の「龍勢祭」 快晴の秋空の下、客8万人超が美技に酔いしれる
埼玉県秩父市下吉田の椋神社の例大祭「龍勢祭」が13日、同神社周辺で行われた。400年以上もの歳月を超え、今に伝えられる各流派の農民ロケット「秩父吉田の龍勢」(国重要無形民俗文化財)が快晴の秋空に打ち上がり、来場者8万4500人(主催者発表)が伝統の美技に酔いしれた。 昨年の龍勢祭の様子【写真3枚】
龍勢は、青竹を乾燥させた約18メートルの矢柄(やがら)に、松材をくりぬいた火薬筒を取り付けた、宇宙に飛び立つロケットと似た構造。今年は23流派が、秘伝の技法と独自の工夫を凝らし、計28本の龍勢を製造した。 「ご奉納―」と、威勢のいい口上とともに、高さ約25メートルのやぐらから発射された龍勢は、ごう音と白煙を残し、約300メートル上空へ一気に駆け上がった。地元小学生らが思いを込めて寄せ書きした落下傘がふわりと空に舞うと、会場は盛大な拍手に包まれた。