《衆院選2024 激戦区を行く》茨城7区 「永岡VS中村」新対決 「背水」ともに危機感
茨城県内で唯一、一騎打ちとなった7区は、無所属新人と自民前職が競り合う。比例復活のない無所属新人は「背水の陣」として裏金問題で自民を批判。自民前職は6期19年の実績と文部科学大臣を務めた経験を強調。政界引退した中村喜四郎氏の地盤を引き継いだ新人と自民前職の新たな真っ向対決は激しさを増している。 【7区】(届け出順) 中村勇太 38 無所属新 永岡桂子 70 自民 前(6) 無所属新人の中村勇太氏(38)は前衆院議員の父・喜四郎氏と同様に、オートバイで地域を細かく回る戦術を踏襲。喜四郎氏の後援会「喜友会」を受け継いでおり、演説では毎回、「父は最初の選挙で4年間で10万軒を回った。私も今後4年間で10万軒を歩く。地道に努力する」と訴え、支持獲得に懸命だ。 区割り変更で旧下妻市が1区から7区に変わったが、1区候補の後援会から名簿を引き継ぎ、新たな票の掘り起こしを狙う。 選挙戦では立民県連と連合茨城から実質的な支援を受けており、茨城県選出の参院議員なども選挙区入りして支持拡大を訴える。坂東市で17日開かれた演説会で、応援弁士は「無所属候補は政見放送がなく、ビラは政党公認候補より4万枚少ない。もちろん比例復活もない。負ければ終わりだ」と強調した。 文科大臣を務めた自民前職の永岡桂子氏(70)は21日、街頭で「今回の選挙は大変厳しい。自民党に逆風が吹いているが、負けるわけにはいかない」と声を張る。 喜四郎氏は過去6回にわたって競り合ってきた「大きな壁」。新たに相手となった長男と党への逆風を含む「三つの壁が立ちはだかっている」と危機感を募らせる。 選挙区内8市町の首長や自公の県議、地元議員らが応援に入り、各地でマイクを握る。首長の1人は「地域と国とのパイプは永岡候補しかいない。ぜひ小選挙区で勝利を」と意気込んだ。 同日は五霞、境の両町を重点的に回り、支援拡大を呼びかけた。「まだやらなければならないことがある。地域の声を国に届けられるのは私。再び壇上に上げてほしい」。経験と実績を訴え、票の上積みを目指す。
茨城新聞社