奥山清行さん ガンダムみたいなトラクターは社長専用車
奥山清行さん ガンダムみたいなトラクターは社長専用車 THEPAGE大阪
フェラーリ・エンツォフェラーリや北陸新幹線で使われるE7系・W7系電車などをデザインした世界的工業デザイナー奥山清行さんが27日、大阪市北区の新梅田シティでスペシャルトークセッションに臨んだ。現在、ヤンマーホールディングス社外取締役でもある奥山さんだが、今回は自身がデザインした「ガンダム」のような真っ赤なトラクターを披露しながら、大阪を拠点にこちらも世界で活躍する建築家、安藤忠雄さんとデザインによる情報発信の重要性などを熱く語り合った。29日にはこのトラクターが先導する形でフェラーリ100台が御堂筋を走るイベント「御堂筋ワンダーストリート」も行われる。
「大きさを体感して」「まちの人たちの驚く顔がみたい」
この日お披露目されたのは、ヤンマーの最新型大型トラクター「YT5113」の限定号で、世界で50台しか存在しない。「御堂筋ワンダーストリート」で100台のフェラーリを先導する大役を担う。奥山さんはかつてフェラーリのデザイン開発を担当していたこともあり、スポーツ車とトラクターによる奥山作品の競演が、大阪で実現するわけだ。 奥山さんは「トラクターは想像よりもはるかに大きい。プロが使う車の世界には、ガンダムのようにとてつもなく大きな車があることを、女性や子どもたちにも感じてほしい」と話す。安藤さんは「世界最速のスポーツ車の前を、生活の道具であるトラクターが走る。大阪でいちばんおもしろいイベントではないか。まちの人たちの驚く顔がみたい。人々の表情が変わるとまちも変わっていく」と歓迎する。 工業デザイナーと建築家。世界で活躍する両者には、デザイン観で共通点が多い。 「安藤さんが設計に関わった建物を見るために、海外から大阪へ人が訪れる。建築やデザインには人を集める力がある。アメリカでトラクターの商談会を開いたところ、これからはデザインが新しい価値を作り出すと、デザイナーの私ではなく、ディーラーが語ってくれた。デザインに対する期待の高まりは、世界の常識になりつつある」(奥山さん) 「部分と部分のぶつかり合いから生命力が生まれてくる。奥山さんのトラクターは部分と部分が激しくぶつかり合いながら、全体がうまく統一されている。すぐれたものがあれば、世界へ発信される時代を迎えている。以前と比べると、大阪は歩いて楽しいまちになってきた。大阪には発信できるものがたくさんあると思う」(安藤さん)