『ラブ・アクチュアリー』キャストの今 幼き“サム”演じた俳優は今も活躍中<日本公開20周年>
『ハリポタ』で大人気の先生も出演していた
■アラン・リックマンさん 家庭があるのに部下に浮気心を抱くデザイン会社社長を演じたのは、『ハリー・ポッター』シリーズのスネイプ役でおなじみのアラン・リックマンさん。『ダイ・ハード』の悪役で鮮烈な映画デビューを果たした彼は、本作の後も『アリス・イン・ワンダーランド』シリーズや『大統領の執事の涙』などに出演。舞台でキャリアをスタートさせた彼は、トニー賞に2度ノミネートされ、映画監督も務めるなど幅広く活躍したが、惜しくも2016年にすい臓がんのためにこの世を去った。69歳だった。 2022年には彼の遺した日記「Madly, Deeply: The Diaries of Alan Rickman(原題)」が出版された。90年代から書き貯めていた日記には、『ハリー・ポッター』シリーズの舞台裏や、本作撮影中の記録もあり、エマの夫がセットに来ていたのに会えなかったという記述がある。長い交際を経て2012年に結婚した政治家のリマ・ホートンや、親しかったエマが序文を執筆している。 ■キーラ・ナイトレイ 夫の親友の秘めた想いを知ってしまった新婚のジュリエットを演じたのは、本作と同年に公開された『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』で世界的ブレイクを果たしたキーラ・ナイトレイ。当時17歳だった彼女はこの後、『プライドと偏見』で20歳にしてアカデミー賞に初ノミネート。『つぐない』や『わたしを離さないで』といった名作に出演し、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』で再びアカデミー賞候補になった。最新作はNetfixドラマ『ブラック・ダヴ』。 2013年にミュージシャンのジェイムズ・ライトンと結婚し、子どもが2人誕生しているキーラだが、本作公開の頃付き合っていたのは、後に『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』でセンセーショナルを巻き起こしたジェイミー・ドーナン。当時急激に有名になった彼女は、メディアに体型を揶揄されるなど辛い目に遭ったが、家族や友人、「素敵なボーイフレンドたち」のおかげで助けられたと語っている。また最近のインタビューでは、渋滞にはまった際、隣り合わせた車に乗る作業員から、本作のジュリエットの様にカードボードでメッセージを贈られたことを告白。「ブキミだけどスウィートだった」そう。 ■ビル・ナイ 過去曲をリメイクした「クソみたいな曲」で再起を図る元ロックスター、ビリー・マック。演じたビル・ナイは本作で英国アカデミー賞助演男優賞を獲得。ビリーとは異なり、1981年に映画デビューして以来途切れることなく映画やテレビ、舞台で活躍し、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのような大作から『MINAMATA‐ミナマタ‐』のような独立系、文芸作品からコメディ映画まで幅広く出演している。 2022年には黒澤明監督の『生きる』をリメイクした『生きる LIVING』で、アカデミー主演男優賞に初ノミネート。74歳になった今年だけでも、『オーメン ザ・ファースト』やNetfix映画『joy 奇跡が生まれたとき』など、声の出演を含め9作品も公開された。プライベートでは、俳優のダイアナ・クイックと長く交際し、俳優として活躍する娘メアリーが誕生したが、2008年に破局。最近は米VOGUEの編集長アナ・ウィンターとのロマンスがウワサに。 ■トーマス・ブロディ=サングスター 母を亡くして塞ぎ込んでいると思ったら、実は片思いに悩んでいたというダニエルの義息子サム。演じたのは撮影当時13歳だったトーマス・ブロディ=サングスター。 子役はキュートなほど、大人の俳優への移行が難しいところだけれど、彼は本作の後も順調に活躍。3年後に公開された『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』で若き日のポール・マッカートニーを演じ、その後も『ゲーム・オブ・スローンズ』や「メイズ・ランナー」シリーズ、『クイーンズ・ギャンビット』など話題作に続々出演。この11月には、2015年に出演したドラマ『ウルフホール』が約10年ぶりにシーズンを更新し、ラルフ・サドラー役でカムバックを果たした。 両親ともに俳優という芸能一家に育った彼は、ヒューと曾祖母が姉妹という親戚同士。イーロン・マスクの元妻としても知られる俳優のタルラ・ライリーと今年結婚し、イギリスの郊外の農場で静かな暮らしを楽しんでいるそう。 実は本作、2017年にチャリティ企画で、続編の短編映画『レッド・ノーズ・アクチュアリー』が公開されている。俳優だけでなくキャラクターのその後を少し紹介すると、ダニエルは数年ぶりに英首相に返り咲き、官邸で再びダンス。ジェイミーはまだ、オーレリアと今一つ言葉が通じない。幼かったサムはすっかり大人になり、渡米して片思いしていた彼女と結婚するそう。そして孤独だったサラ。遅くまで残業している所は変わらないけれど、パトリック・デンプシー演じるイケメン夫ができた様子! 本当に良かった。(文:寺井多恵)