『ラブ・アクチュアリー』キャストの今 幼き“サム”演じた俳優は今も活躍中<日本公開20周年>
日常にあふれる様々な形の「ラブ」を描いた『ラブ・アクチュアリー』が、日本公開20周年を記念して色鮮やかな4Kデジタルリマスターとなって劇場に戻って来る。愛を描かせたら右に出るものなしのリチャード・カーティスが脚本を手掛け、イギリスを代表する名優が勢ぞろいする本作は、何度見ても温かい気持ちになるクリスマスの名作。キャストの今を、映画にあやかって「ラブ」も含めて紹介しよう。 【写真】『ラブ・アクチュアリー』出演シーン→現代の姿を交互に見比べ ■ヒュー・グラント 日本にもこんなにキュートな首相がいたら…と思わずにいられない、恋する英国首相を演じたヒュー・グラント。当時はロマコメの帝王として女性たちの心を鷲掴みにしていたが、2012年公開の『クラウド アトラス』でキャリア初となる悪役を演じたのをきっかけに、クセ強の役どころを演じる性格俳優に転身。『パディントン2』では監督がヒューを想定して書いたという「落ち目の二枚目俳優」を熱演し、ドラマ『フレイザー家の秘密』では、表面的には理想の夫、実はサイコな殺人犯という役どころを演じてエミー賞にノミネート。さらに最新作『Heretic(原題)』は宗教ホラーだ。 またプライベートでも、長く独身貴族として名を馳せ、売春婦との行為で警察のお世話にもなったこともあったのに、子どもを授かったことでこれを返上。5人の子どもを持ち、うち3人の子の母であるスウェーデン出身のプロデューサー、アナ・エバーステインと結婚。うるさい子ども達から逃げるためにトイレに隠れるなどと語り、持ち前のシニカルさで隠しながらも良きパパぶりが伝わってくる。 ■リーアム・ニーソン 妻を亡くして涙にくれつつ、残された妻の連れ子を心配するダニエル。演じたのは、スピルバーグ監督作『シンドラーのリスト』でアカデミー主演男優賞候補となり、母国アイルランドの英雄を演じた『マイケル・コリンズ』で、ベネチア国際映画祭男優賞を受賞したリーアム・ニーソン。 50代で出演した『96時間』(2008)が大ヒットを記録し、アクション俳優としての地位を確立。これまで何度かアクション映画からの引退を示唆しているが、72歳となった今年も、11月にはアメリカで『スノー・ロワイヤル』のハンス・ペテル・モランド監督と再タッグを組んだ『Absolution(原題)』を公開。夏にも、ザッカリー・リーヴァイ共演のガイ・モシェ監督作『Hotel Tehran(原題)』の撮影を行っており、まだまだ引く手あまたの様子。 プライベートでは、2009年に妻で女優のナターシャ・リチャードソンを、スキー中の事故で亡くしている。45歳だった。「あんな若さで死ぬなんて」と涙を流す本作のダニエルの姿を重ねると、なんだか切なくなる。 ■コリン・ファース 南仏の別荘でポルトガル出身の女性オーレリアと知り合い、言葉が通じないにも関わらず恋に落ちた作家のジェイミー。演じたコリン・ファースは、本作の後も『ブリジット・ジョーンズ』や『マンマ・ミーア!』、『キングスマン』シリーズといった話題作に続々出演。2009年の『シングルマン』でアカデミー賞主演男優賞候補になり、翌年の『英国王のスピーチ』で同賞を獲得した。また2022年には『ザ・ステアケース ‐偽りだらけの真実‐』で90年代以来久しぶりにドラマシリーズに出演し、エミー賞候補になっている。この後も『キングスマン』の新作とスティーヴン・スピルバーグ監督の新作、若き日のシャーロック・ホームズを描くドラマシリーズなどが控える。 プライベートでは、イタリア人プロデューサーで環境活動家のリヴィア・ジュージョリと結婚したが、2019年に結婚22年で離婚。リヴィアとの間に生まれた息子ルカとマテオはそれぞれミュージシャン、結婚前に交際していたメグ・ティリーとの間にもうけた長男ウィルは俳優として活躍している。離婚後は、アメリカの脚本家マギー・コーンとの交際しているようだ。 ■ローラ・リニー 同僚のカールに片思いをしながらも、家庭の事情でままならないサラを演じたローラ・リニー。本作の翌年に公開された『ユー・キャン・カウント・オン・ミー』でアカデミー賞に初ノミネートされ、その後も、リーアムと共演した『愛についてのキンゼイ・レポート』と『マイ・ライフ、マイ・ファミリー』で同賞候補に。テレビでも、NHKで放送されていた『キャシーのbig C いま私にできること』でエミー賞を獲得、Netfixドラマ『オザークへようこそ』では悪の才能を開花させていく妻を演じ、3年連続エミー賞候補となるなど高評価を受けた。舞台でも活躍しトニー賞に5度もノミネートされている。 プライベートでは、テルライド映画祭で知り合ったマーク・シャウアーと結婚し、息子が一人誕生。結婚式で彼女をエスコートし、バージンロードを共に歩いたのは、何度も共演している親友で、妻を亡くしたばかりだったリーアムだった。 ■エマ・トンプソン 夫の浮気に心を痛める英国首相の妹カレンを演じたのは、1992年に『ハワーズ・エンド』でアカデミー主演女優賞を受賞し、翌年『日の名残り』と『父の祈りを』で同主演女優賞と助演女優賞にダブルノミネート、脚本を手がけた『いつか晴れた日に』で同脚色賞を獲得した名優エマ・トンプソン。本作の後も『ハリー・ポッター』シリーズや『美女と野獣』などに出演し、『ブリジット・ジョーンズ』シリーズには出演だけでなく脚本家としても参加するなど、多才ぶりを発揮している。 そんな彼女もプライベートでは、カレン同様実は元サレ妻。俳優で映画監督のケネス・ブラナーと結婚していたが、彼がヘレナ・ボナム=カーターと不倫関係になり離婚した。夫から他の女性へのプレゼントを発見してしまうエピソードは、なんと彼女の実体験を基にしたものだそう。でもご心配なく。彼女はその後、オスカーを手にした『いつか晴れた日に』で共演したグレッグ・ワイズと再婚。昨年の英国アカデミー賞でも仲良くツーショットを披露している。