【闘病】発覚のきっかけは歩行時の動悸と息切れ 「慢性血栓塞栓性肺高血圧症」とは
患者と向き合って診察を
編集部: 医師や看護師など、医療関係者からの説明は十分でしたか? 宍戸さん: 最初の病院Aでは病気の説明はなく、こちらから何か言うと必ず否定されていたので、気分は全くよくありませんでした。ほかの患者のいる前にもかかわらず、看護師から30分以上も大声で説教されたことがありました。 病院Bと大学病院では納得のいくまで説明を受け、満足な加療を受けられています。色々と相談にも乗ってもらえていました。 編集部: 医療関係者に望むこと、伝えたいことはありますか? 宍戸さん: まずは、診察時に目を見て欲しいですね。こちらを1度も見ることなく、パソコンの画面だけ眺めて診察が終了し、話も十分に聞いてもらえなかったときはわだかまりが残りました。
在宅酸素療法のため、動きが制限される。
編集部: 治療を開始して、生活にどのような変化がありましたか? 宍戸さん: CTEPHの治療を始めたばかりの頃は、在宅酸素療法が24時間だったので、行動が大きく制限されてしまいました。肺動脈バルーン形成術を11回終えたあと、やっと昼間に酸素供給機器を外すことが出来ました。 まだ外出時は携帯酸素が必要なので、家の中にいる時より外出時の制約は多いです。動悸や息切れがまだあるので、家事は休み休みやっています。仕事は障がい者支援施設でのアルバイトをした時期もありましたが、現在はどこにも就いていません。 編集部: 治療中の心の支えとなったものは、何でしたか? 宍戸さん: 一番大きいのは主治医からの励ましの言葉でした。そして夫や子どもたちの存在です。 編集部: あなたの病気を知らない方へ、一言お願いします。 宍戸さん: 早期発見がなかなか難しい病気だと思います。もし動悸、息切れのある方は、我慢せず、早めに循環器内科受診をおすすめします。また、セカンドオピニオンも重要だと思いました。 編集部: 現在の体調はどうですか? 宍戸さん: 酸素供給機器を外す時間が長くなってきたのですが、まだ肺の末梢血管にある血栓が取り切れずに残っているため、万全とは言えません。血小板数値は40万台と安定しているので、引き続き服薬を続けています。 ですが、特に困った自覚症状はなく過ごせています。少しずつですが家事も手伝うことができるようになり、気持ちも安定しています。もう少し体調が良くなったら、リモートワークでできる仕事をしてみたいですね。