多くの女性を悩ます「産後ダイエット」。 SNSで話題のかのまんさんに、その成功の秘訣を教えて欲しい!
「産後激太りしたそこら辺にいる一般主婦。お尻を出した子一等賞」 切れ味鋭いプロフィール文に加え、ありのままをさらけ出した説得力のある投稿が、すごい。 【マンガ】『自分を褒めまくることがダイエットへの近道でした』を読む これが、Xで大人気のダイエッターかのまんさん。今年10月には新刊『自分を褒めまくることがダイエットへの近道でした』(原案 かのまん/漫画 あきばさやか)が発売され、多くの女性の心に寄り添う、ダイエットの真髄が描かれています。 そこから今回は、「産後ダイエットに必要なこと」をかのまんさんにご教示いただきました。カロリーコントロール? 適度な運動? それは王道ですが、スタートラインはまだまだ手前にあったのです。 ■かのまんさんの産後ダイエット ■産後ダイエットSTEP1【とにかく寝る】 かのまんさん 産後は疲れで、とにかく思考能力が落ちています。だからつい、わかりやすいものに飛びついてしまう。気持ちはよーーーくわかります! 断食とかインフルエンサーが勧める漢方とかサジー飲んだりブルブルするマシンとか! でも、とにかく寝ましょう。細切れでもいいから、7時間は確保したいですね。まずはそこから! 何かを増やすのではなく、足りない部分を補うという気持ちで取り組んでいきましょう。心と体がフラフラでは、何もできません。 ■産後ダイエットSTEP2【”当たり前”からの脱却】 太ったことで沸いてくる、自己嫌悪の気持ち……。でもそれは、自分の中の”当たり前”がおかしい場合も多いとのこと。 かのまんさん 運動や食事制限。そうしたものを「誰でもできて当然」だと思ってるから、自己嫌悪になるんです。今ってSNSとかで、他人のキラキラした生活が見放題ですよね。みんなが意識高いごはんを食べて、スリムでオシャレなお母さんに見えてしまう。特にインフルエンサーは目につきやすいから仕方がない部分もあるでしょうけど、皆の中で「普通」の基準が上がってしまっているのを感じています。自分も普通にならなきゃって気持ちが、また自己嫌悪を刺激するので要注意です。 「目がー!」となるキラキラ投稿、自分も頑張ろうという気持ち以上に、落ち込むきっかけになってしまう気持ち、身に覚えがありすぎて、辛い! かのまんさん そこでまず、普通とは何か? を考え直してほしいんです。普通だと思うことを、紙に書き出してみてください。例えば”普通のおかあさん”とは? すると、3食子供のごはんを作って、休日は家族で出かけて、寝る前は読み聞かせして……って、これが普通のわけがないんです! これは、”素晴らしい人”! だってそんな生活、頑張らないとできなくないですか? つまりそれは、自分が作った幻の「普通」。普通ってそんなものなのかもしれません。 そして書き出した紙をビリビリに破って、捨て去れ!とかのまんさん。 かのまんさん もし今、あなたが朝から牛丼食べてるなら、それが普通です。スタンダードは、今の自分だと設定しましょう。そこから一歩踏み出して、牛丼を刺身に変えたられたら、ヘルシー! 朝、カーテンを開けられるようになったから、すごい! そんなふうにとりくむと、ちょっとのがんばりで自分を褒めることができるようになっていきます。自分を褒めることは、自分を好きになること。そして自分を大切にしよう、健康になろうという気持ちが芽生えます。それはダイエットにとって、何よりの味方になってくれますよ。そのように生活を整えていきましょう。 ■産後ダイエットSTEP3【数字じゃなく”見た目重視”で行こう!】 睡眠で体調を整え、自分の中のハードルを下げたら、いよいよ食事管理や適度な運動。ですが、ここで体重にこだわらず、「筋肉を減らさないことを意識してほしい」とかのまんさん。 かのまんさん 誰しも年を重ねていくのでね、中年から筋肉量がとても大切になるわけですよ。もし筋肉をつけずにやせて、骨がスカスカになると、寝たきりの老後が待っている……と思うと怖い! 健康を目指す意味でも、やはり筋力は重要。筋トレはやりなれないとしんどい場合もあるけれど、きっと何十年後の自分がタイムマシンに乘って、泣きながらお礼を言いに飛んで来ますよ! そう想像してとりくみましょう。 ちなみに、ダイエットでよく出てくる「モチベーション」はあまり考えなくてOKとのこと。 かのまんさん だってどんな決意や衝撃も、結局人は時間がたつと忘れてしまうんですよ(笑)。私自身、太った時に撮影した自分の後ろ姿の写真を見て三日寝込むくらいのショックを受けたけど、結局時間とともに薄れてしまった(笑)。実際私もボディメイクの大会に向けて頑張りましたし、例えば子供の入学式に向けてやせたいとかがあってももちろんOKですが、少し先とずっと先。両方を考えられると、なおいいですね。 ■産後ダイエットSTEP4【3日坊主上等!な気持ちで取り組む】 「最初は頑張れるけど、次第にダレる」。これもダイエットあるあるですが……。 かのまんさん はい、ぜーーんぜんOK! むしろ三日坊主の王者に、なれ! 3日を何回も続ければ、結果的には継続ですから。休む期間も大切にして、心を満たして、また始めればいいんです。ダイエットに役立つ食材も、ぶっちゃけ飽きますよね。とり胸肉をよく食べますが、もちろんニオイも嗅ぎたくないくらい飽きる時もあります。そんな時は、海に逃げろ!陸が嫌になったら、海にはイカやタコ、おいしくてヘルシーな主力選手はいくらでもいますから。 前作で「鶏むね肉と2回くらい離婚している」と語ったのはコレかぁ……と納得してしまう教えが登場。新刊に出てくるエピソードでも、元サヤのごとく、再びはじまる過食とのつきあいに、ちょっとハラハラさせられたり……。でも、いつでも再出発できる! と勇気づけられるのが本書です。 かのまんさん どんなダイエット法でも、心と体の健康が土台にあることが基本です。体が健康になれば、自然にやせていく。特別なことは、ひとつもありません。自分の身体をいたわりましょうね。 産後でお疲れの皆様! そう力強く言い切る、かのまんさんを信じ、まずは元気を取り戻しましょう。 取材・文=木下頼子