スズキ新型「スイフト」は王者トヨタ「ヤリス」に勝てるのか? コスパはクラス最強の声も...!
ヤリスは昨年3月に累計販売台数1000万台を突破した怪物カー。ちなみにトヨタ車で累計販売台数が1000万台超えを達成しているのは、カローラ、カムリ、RAV4、ハイラックス、ランドクルーザー。ヤリスは6車種目の快挙達成となった。 初代ヤリスは1999年にデビューしたモデルだが、実はニッポンでは3代目までヴィッツとして販売。20年にデビューした4代目からヤリスの名前を与えられた。すると、怒涛(どとう)の快進撃を展開! 昨年、ニッポンの新車市場でヤリスは19万4364台をマークし、乗用車(登録車)部門で4年連続首位に輝いた。 そんな無敵モード突入状態の王者ヤリスに加え、国内のコンパクトカークラスには、ホンダのフィット、マツダのマツダ2など各自動車メーカーの量販車がズラリと並ぶ。この群雄割拠のカテゴリーで勝ち抜き、シェア拡大を狙うのが、今回デビューした新型スイフトである。では、スズキはどう開発を進めたのか? ■新型スイフトが狙う「Z世代」 新型スイフトの開発責任者を務めたのはスズキの小堀昌雄氏。小堀氏は先代モデルも担当した"ミスタースイフト"。今回の新型スイフトのターゲット層は、「Z世代」と呼ばれる若者たちだ。ちなみにこれまでのスイフト購入者の平均年齢は44.8歳。 スズキによれば、20代や30代の顧客の割合もかなり多いというが、新型スイフトはスズキの未来を考え、もっと若い世代へ訴求する道を選んだ。まず小堀氏は、これから20代になる、あるいは20代になったばかりの顧客に話を聞いた。 「今の若いお客さまは、クルマに対して何を求めているのかを知りたかったんです」 もちろん、若い世代のすべてに当てはまる話ではないが、小堀氏が耳を傾けた顧客に限れば、彼らが今何を大事に生きているのか、そのヒントは得られたという。 「若いお客さまに話を聞いていると、クルマに投資するより普段の生活や充実した楽しい時間にお金を使いたい気持ちが強いんです」 要はほかの世代よりコスパとタイパの優先順位が高いのだ。そういう顧客に対して力を注いだのが、デザインと走り。デザインは販売店やCMなどで見ることができるが、走りは試乗しないと伝わらない。小堀氏が力を込めて言う。 「楽しい走りができます。ぜひ、ご試乗いただきたい」