学資保険があと5年で満期です。最近金利が上がってきたので満期保険金も上がるでしょうか?
「最近金利が上がってきたけど、満期保険金にも影響があるのではないか?」と、疑問に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。保険の満期が近づいている方は、受け取れる保険金が増えるかもしれないと期待されるかもしれません。 本記事では学資保険を例に、「学資保険と金利はどう関係があるのか」「金利が上がると満期保険金も上がるのか」について解説します。 学資保険に限らず、満期保険金がある保険に加入している方や、これから保険に加入しようか検討されている方の参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
学資保険と金利はどう関係があるのか?
「予定利率」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 予定利率とは、生命保険会社が保険商品を設計する際に、あらかじめ見込んでいる(予定している)運用利回り(利率)のことです。 生命保険会社は、「予定死亡率」「予定利率」「予定事業費率」を基に生命保険料(以下「保険料」といいます)を計算します。これらの予定率と保険料の関係は、以下のとおりです。 ・予定死亡率が上がれば、保険料は上がる(予定死亡率が下がれば、保険料は下がる) ・予定利率が上がれば、保険料は下がる(予定利率が下がれば、保険料は上がる) ・予定事業費率が上がれば、保険料は上がる(予定事業費率が下がれば、保険料は下がる) 金利は、予定利率に影響を与えます。一般に、金利が上がれば予定利率は上がり、金利が下がれば予定利率は下がります。このことから、以下のことがいえます。 ・金利が上がれば(予定利率が上がるため)保険料は下がる ・金利が下がれば(予定利率が下がるため)保険料は上がる 学資保険は、生命保険の一つです。したがって、学資保険の保険料と金利の関係にも、上記のことが当てはまります。
金利が上がると満期保険金も上がるのか?
金利が保険料に影響を与えるのであれば、満期保険金にも同じような影響があるのではないかと思われるかもしれません。今回の例のように「最近金利が上がってきているけど、現在契約中の学資保険の満期保険金も上がるのではないか」と思われても不思議ではないでしょう。 しかし結論からいえば、金利が上がってきたからといっても、契約中の学資保険の満期保険金が上がることはありません。 反対に、金利が下がってきたからといっても、満期保険金が下がることもありません。同様に、金利が上がってきた(下がってきた)からといっても、契約中の学資保険の保険料が下がる(上がる)こともありません。 前章で、「予定利率とは保険商品を設計する際にあらかじめ見込んでいる運用利回りのこと」と解説しました。これが意味するのは、保険商品は特定の予定利率を基に設計されており、そこに組み込まれた予定利率は変更できないということです。つまり、すでに契約している保険は、金利変動の影響を受けないということです。 「予定利率を引き上げ」という言葉をニュースなどで耳にすることがあるかもしれませんが、新しい予定利率は新しく設計された保険にしか適用されません。もし、契約中の保険に予定利率の改定が反映されるとすれば、契約者が「金利変動リスク」を背負っている保険だと思っていただいて差し支えないでしょう。