40代、50代の気持ちがラクになる「幸福学」講座/大嫌いなパートナーが大好きになる「幸福学」の方法って?
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授の前野隆司先生に聞く、OurAge世代のための「幸福学」。パートナーシップにおける幸せのつくり方がテーマ。夫婦生活も長くなると、相手の嫌なところばかりが目についてくるものだが、そんな関係を変えるにはどうすればいい?
幸福学の“ある方法”で、夫とわずか1週間でラブラブに!?
――この回から、OurAge世代の「あるあるお悩み」について、前野先生に幸福学の見地から解決策を教えていただきたいと思います。読者から寄せられる声で多いのは、コロナ禍以降のリモートワークなどによって、夫やパートナーが一日中家にいることに息苦しさを感じる、というもの。次のようなお悩みです。 「コロナ禍からのリモートワークで、夫が家にいることが苦痛になってきました。DVや不倫、借金などがあるわけではないのですが、若い頃のような男女のセクシュアリティも感じず、コミュニケーションも希薄です。パートナーシップにおける幸せはもう望めないのでしょうか?」(50代・フリーランス) 実は私にも知人の女性で、とてもよく似た不満を持っておられる方がいました。夫との関係は冷え切っている。リモートワークで家にいられるのも耐えられない。定年後はどうしようかと思っている、と。その方には、僕が幸福学で教えている、ある方法を伝えました。すると1週間後に、「夫との関係が、ラブラブに戻りました! ありがとうございます!」というメールが届いたのです。 ――えっ! たったの1週間で!? いったい、どんな方法なのか知りたいです! とてもシンプルなことです。それは、他者に感謝すること。それも、いつもの10倍くらい感謝の気持ちを伝えましょう、ということです。例えばメールの最後に書く「ありがとうございます」の言葉も、形式的に書くのではなく、もっと心をこめて書いてみるんです。「◯◯さんが△△について、すばらしく献身的にお手伝いをしてくださったおかげです。心から感謝をしています」というような。 ――そういえば、周囲に文句や愚痴ばかり言って嫌われていたおじさんが、自分に感謝する習慣を続けて、好かれるおじさんに変わったというお話がありましたね。 ええ、そうです。自分に感謝をすると自分が元気になっていくし、他者に心をこめて感謝をすると、他者が元気になる。そうすると、人間関係がよくなっていくわけです。なぜかというと、「ありがとう」と感謝をすることで、セロトニンやオキシトシンなど、優しい気持ちになる脳内ホルモンが分泌されるから、メンタルも整っていくというわけです。