新宿から群馬へ本社移転1年 ミシュラン社員の78%が「満足」
日本ミシュランタイヤは13日、東京都新宿区から群馬県太田市への本社移転から1年がたつのに合わせ、記者会見を開いた。社内アンケート調査の結果では、移転前の働き方と比べた現状について「満足」と回答したのは計78%だった。 同社が移転を完了したのは2023年8月。以前は東京都新宿区の旧本社に130人、同市のR&Dセンター「太田サイト」に240人が在籍していたが、太田市移転により、旧本社の100人が異動の対象となった。10月には新社屋「PARK棟」も開所した。 移転後の改善点として、自然災害のリスクが減少。拠点が一つに集約され、部署間の協業が活性化した。地域の活動に参加する社員も増えたという。 働き方も見直し、出社日数は部署と社員が協議して決定。通勤でシャトルバスを運行し、電車での移動中の仕事も勤務時間と認めるようにした。 社内アンケート調査は9月に実施し、社員の約半数が回答。移転前の働き方と比べた現状について、65%が「満足」、13%が「非常に満足」と回答した。一方で「新宿通勤の方が便利」という声もあり、17%が「不満」、5%が「非常に不満」と答えた。 自由記述では「満員電車に乗る必要がなくなった」「通勤時間が圧倒的に短くなり、無駄な疲労が減った」「東京圏より水や空気がきれいで、生鮮食料品も高品質かつ安価なため、生活の質が上がった」「他部署との情報交換、協業が盛んになった」などの意見が寄せられた。 会見した須藤元社長は「コロナ禍を経て、リモートワークという働き方を得た一方で、社員同士がより多くの交流の機会を持ち、集合知を生むことの重要性が認識されている。これらをうまく組み合わせ、新たな働き方ができるはず」と話した。【庄司哲也】