「イカゲーム2」ついに配信、ズルい“最強の続編” 単純ゲームで「分断社会」を描くエンタメ力
一方、シーズン2は世界的なヒットを受けて書いた脚本です。環境も心境も恐らく違うはずです。実際に「まったく生活が変わった」と話していました。それが影響してか、前作に漂っていた反骨心は今回、多少削がれているように感じましたが、失われていなかったのは世の中に対する絶望感です。 ゲームの参加者たちは2つの選択を迫られ、「〇」と「×」に分かれたチームがお互いに敵対し合う場面を作り出しているのですが、現実社会の分断を皮肉っているのは明らかです。対立や憎悪が高まり、意味のない暴力が起こるのです。
ただのエンタメにしない最高の続編であることは保証しますが、もう1つだけズルいことがあります。シーズン3に続く以外はあり得ない終わり方だからです。不満が多少残りますが、安直に締め括られても納得はしなかったのかもしれません。ギフンが追い求めている正義はそう簡単に実現できないことが伝わってきます。
長谷川 朋子 :コラムニスト