12球団の「欲しい選手」の傾向は? 「プロ野球ドラフト会議2024」この選手に注目すれば面白くなる!
それでも全治4~6週間と野球人生を左右するほどではなかった。プロのスカウト陣の好評価も不変だろう。今年貧打に泣いた西武やオリックス、投手陣だけでなく野手陣も世代交代が迫られるヤクルトも指名の可能性がある。 なお、宗山、金丸、中村、西川の4選手は今年3月に若手中心に編成された侍ジャパントップチーム(欧州代表戦)に招集されている。右肩甲骨骨折で欠場した宗山以外は、強烈なインパクトを残した。金丸は2回4奪三振、中村は1回1奪三振で"完全試合リレー"に貢献。西川は3打席連続安打に、中堅守備でも美技を披露した。 いささか気が早いが、宗山は「26年のWBCに出たい」と語っている。プロ1年目から日本を代表するにふさわしい活躍が求められる。 ■今プロが欲しがる右投げ右打ちの選手 ドラフトは「いい選手」から順番に名前を呼ばれるわけではない。12球団の「欲しい選手」が指名されるのだ。つまり、選手の実力はもちろん各球団の補強ポイントに合致するかがカギになる。 その意味で近年、価値が高騰しているのが「右投げ右打ちの内野手」。プロでは右投げ左打ちの野手が飽和状態で、右投げ右打ちの内野手は高順位で指名される傾向がある。 今年のドラフト戦線には石塚裕惺(ゆうせい/花咲徳栄高)、渡部聖弥(わたなべ・せいや/大阪商業大)、佐々木泰(たい/青山学院大)といった右投げ右打ちの有望内野手がいる。 高校生の強打者として突出しているのが石塚だ。高校通算26本塁打と驚くような結果を残しているわけではないが、高校生にして木製バットを振りこなす打撃技術は魅力。将来的には浅村栄斗(楽天)のような強打者に成長する将来像が描ける。 渡部は大学3年時まで広角打法と強肩を武器にする外野手だったが、今年は内野守備にもチャレンジ。三塁を無難にこなし、器用さをアピールしている。なお、宗山とは広島・広陵高でのチームメイトで、同校の中井哲之監督は「宗山と渡部はライバル心が強く、野球以外のときはずっと黙っていた」と語っていた。 佐々木はインパクトの爆発力が尋常ではなく、スラッガーとしての資質は同期の西川をしのぐ。変化球に対して両腕をゴムのように伸ばして外野スタンドまで運ぶ"脅弾"も佐々木の見どころだ。強肩の三塁守備、盗塁可能な俊足にも定評がある。あとは好不調の波の激しさをスカウト陣からどのように評価されるか。 上記の3人と毛色は異なるが、ハイレベルな遊撃守備を武器にする齋藤大翔(ひろと/金沢高)も1位指名を勝ち取る可能性がある右投げ右打ちの内野手だ。甲子園出場経験はないものの、「高卒1年目から新人王を狙いたい」と豪語するハートもプロ向きだろう。