バハマ“海の森”どう守る? 人々の習慣とは…街中にヒントも【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN
日本テレビが「地球にいいこと、人にいいこと。」を考える『Good For the Planet ウィーク』略してグップラ。バンキシャ!は、カリブ海の国・バハマで、地球温暖化対策の切り札と注目される世界最大の「海の森」を取材。桝太一キャスターが街で聞いた、「海の森」を守る人々のちょっとした「いいこと」。私たちも身近にできるコトとは。(真相報道バンキシャ!) ◇◇◇ カリブ海に浮かぶ島国・バハマ。桝太一キャスターは「あこがれの海に潜ってまいります!」と海に潜ると、バハマの海で見たのは…。 桝太一キャスター 「すごい!ウミガメだ!」 たくさんの生き物たち。そして、あたり一面に広がる海草(うみくさ)だ。光合成で二酸化炭素を吸収する海草は、“温暖化対策の救世主”。それがまるで森のように広がっていた。 バハマの「海の森」。その面積は、実に関東地方の3倍ほどで“世界最大”とされる。ここで暮らす人々は、この豊かな“海の森”をどうやって守っているのか──。そのナゾを解き明かすため、南国・バハマの街を桝キャスターが徹底調査。見えてきたのは、暮らしに根付いたある取り組みだった。 桝キャスターはバハマの首都、ナッソーへ。 桝太一キャスター 「バハマの中心街です。にぎやかですね!」 世界屈指のトロピカルリゾート。街もビーチも多くの観光客でにぎわっていた。この国の人々にとって、「バハマの海」とは──。桝キャスターは、さっそく聞き込みを開始。 桝太一キャスター 「グッドモーニング」 女性 「グッドモーニング」 桝太一キャスター 「バハマの海を取材している日本のテレビクルーです。質問してもいいですか?」 女性 「わたしでよければ答えますよ」 桝太一キャスター 「バハマの海はすごくきれいですけど」 女性 「バハマ人にとってこの海は誇りなんです。夏はたくさんの子どもたちが海に集まるんですよ」 ビーチで出会ったのは、観光客のために毎日この場所を掃除しているという男性。地元の観光会社で働いてるという。 桝太一キャスター 「海はどういう存在ですか?」 男性 「人生の一部です」 「この海には毎日、世界中から観光客がやってきます」 「そのおかげで私は生計を立て、子どもや家族を養うことができる。海のおかげで学費や家賃を払えるんです」 ◇ バハマの人々にとって、海は“人生になくてはならないもの”。では、そこに広がる“海の森”をどうやって守っているのか──。そのナゾに迫るため、桝キャスターが向かったのは地元のスーパーマーケットだ。 「バハマのスーパーってどういう感じなんでしょう。おじゃまします」――店内に入ると最初に果物が。果物より桝キャスターが気になったのは…。 桝太一キャスター 「海外のスーパーに来ると、真っ先に向かうのが魚売り場」 「フレッシュ バハミアン コンクありますね」 バハマのソウルフード、コンク貝。 桝太一キャスター 「その奥にはザリガニですね。カキとかいいですね。アサリの仲間(リトルネッククラム)も売っています」 豊かな“海の森”の秘密はどこに…? 会計の様子を見ていた桝キャスターがあることに気づいた。 桝太一キャスター 「大きい!大きいエコバッグ」 「こっちの人もエコバッグだ」 さらに。 桝太一キャスター 「マトリョーシカのごとくエコバッグが出てきました」 買い物客は全員エコバッグを持参。日本ではプラスチック製のレジ袋を買う人もいるが…。 店員 「レジ袋は絶対にもらえません。以前はもちろんありましたが、4年前に法律で禁止されたんです」 日本では有料化され、今も使われているプラスチック製の「レジ袋」。そのほとんどの使用をバハマ政府は4年前、法律で禁止したのだ。 レジ袋は街中に放置されると、川などを通り海に流れ着く。海洋ごみのおよそ8割は街由来だ。海洋ごみは、海草の成長に必要な日の光を遮ってしまう。バハマでは、プラスチックを削減することで海洋ごみを減らし、海草に光が届くきれいな海を守っているのだ。 スーパーの客 「レジ袋がなくなっても困りませんでした。エコバッグの方が環境にいいんだから、そっちを使いますよ」 店員 「日本では、まだレジ袋を使っているんですか?」 桝太一キャスター 「エコバッグもあるけど、忘れたらプラスチックバッグを使う」 店員 「そうなんですね。バハマのスーパーとは違いますね」 ◇ 桝キャスターが訪ねた、バハマ在住の夫婦。「かわいい!ビューティフルハウス!」と桝キャスターが話す夫婦の自宅には…。 妻 「そこにエコバッグがあります」 大きいサイズや保冷バッグなど、入れるもので使い分けているという。 夫 「気をつけていなければ、海がプラスチックでいっぱいになってしまう」 妻 「バハマの海が大好きだから、次の世代のためにも守りたい」 夫 「世界のどこにもバハマのような海はないからね」 ◇ 豊かな“海の森”を守るバハマの取り組みは他にも。桝キャスターが観光客に人気のマーケットを訪ねると…。 桝太一キャスター 「ごみ箱がしっかりある。だからあまりポイ捨てがないのかな」 たくさんあったのは、ゴミ箱。およそ10メートル間隔で置かれていた。中心街はゴミ箱が多く、ポイ捨てされたゴミはあまり見当たらない。 10年前から毎年バハマを訪れているという、アメリカからの観光客は「昔はそこら中ごみだらけだった。たばこの吸い殻とかね。でも今は改善されて、すごくきれいになったよ」と話す。 バハマ政府は、数年前から首相肝いりの“国家プロジェクト”として、街の清掃活動を強化。こうした街のごみを減らす取り組みも海洋ごみを減らし、豊かな“海の森”を守ることにつながっているのだ。 取材の最後に出会った男性は、生まれてから60年以上をバハマで過ごしてきた。 男性 「何もしなければ、きょうはごみが1つでも明日には2つと、どんどん増えてしまう」 「この海を守るために、我々人間が何かをすべきなんです。ごみを出しているのは人間なんだから」 人々が海を大切に思う気持ち。それが、バハマの“海の森”を守っていた。