「年収103万円のパート主婦」なら定額減税2重取りが可能…天国と地獄を分ける「合計所得」とは何か
■「2重取り」できる人と「もらえない人」がいる 同じ年収104万円でも、「ふるさと納税やiDeCoなどの控除があった場合」と「ない場合」で、受け取れる金額が大きく変わってしまいます。 ほぼ同じ年収なのに、定額減税を2重取りして8万円もらえる人もいれば、まったくもらえない人も出てくる、ということです。 パート・アルバイトの方で、給与明細で「住民税が0円」になっている方はこのパターンに該当する可能性があるため、要注意でしょう。 ■政府は問題を放置している この2重取り問題について、政府が対応することも期待されていましたが、2024年6月時点では何も発表されていません。今後、修正が発表されるかもしれませんが、今のところは各自で対応するしかなさそうです。 ではどうすれば「定額減税ゼロ」を回避できるでしょうか。 解決策として考えられるのは、「所得税が発生するように収入を増やす」、あるいは「年末調整や確定申告で控除を計上しないようにする」という方法です。 まず1つ目の「収入を増やす」という方法ですが、パート・アルバイトの場合は、仕事のシフトを増やす、あるいは残業を増やすといった方法で、ある程度調整できるかもしれません。 2つ目の「控除を計上しない」について、年末調整・確定申告で控除を申告しなければ、基本的には税金が増えます。そのため、この行為を税務署が咎めることはなさそうではあります。 ただ、「定額減税を受け取る目的で控除を計上しない」という行為が本当に許されるかどうかは、現状なんとも言えません。 このように定額減税の仕組みにはさまざまな落とし穴が潜んでいますので、しっかり情報を収集して対応することをお勧めします。 ---------- 山田 真哉(やまだ・しんや) 公認会計士・税理士・作家 公認会計士・税理士、芸能文化税理士法人 会長。著書『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』(光文社)はベストセラーに。YouTube「オタク会計士ch」は登録者数80万人を超える。 ----------
公認会計士・税理士・作家 山田 真哉