秋田県知事「熊に小型の爆発物を食べさせて爆破すればハンターは必要ない」と発言? 後半部分が捏造【ファクトチェック】
秋田県の佐竹敬久知事が「熊に小型の爆発物を食べさせて爆破すればハンターは必要ない」と発言したとする情報が拡散しましたが、不正確です。拡散した投稿はまとめサイトのXアカウントからで、見出しは掲示板サイトのスレッドタイトルを引用しているだけです。後半部分が捏造です。
検証対象
2024年12月18日、「秋田県知事『熊に小型の爆発物食べさせて爆破すればハンター必要ない』」という情報が拡散した。 2024年12月20日現在、この投稿は340件以上リポストされ、表示回数は8万回を超える。投稿について「狂ってる」「それはちょっと」というコメントの一方で「マジでいった?」という指摘もある。
検証過程
まとめサイトは掲示板サイトのタイトルを引用 検証対象のリンクは、まとめサイト「TweeterBreakingNews-ツイッ速!」の記事だ。 タイトルは掲示板サイト5ちゃんねるのスレッド「【悲報】秋田県知事「熊に小型の爆発物食べさせて爆破すれはハンター必要ない」」で、読売新聞オンラインが2024年12月17日にライブドアニュースで配信した記事「秋田県知事、クマ駆除への苦情に『お付き合いする必要ない』…『お前のところにクマを送ると威嚇する』」が引用元だとしている。
「熊に小型の爆発物を食べさせて爆破」と実際に発言
秋田県では、市街地に熊が出没するケースが増え、2024年11月30日には、秋田市内のスーパーに侵入した熊が従業員に怪我を負わせ、2日以上にわたって店内に居座った。 12月17日の秋田県議会予算委員会で、佐竹知事は熊対策を問われた。その発言は秋田県のウェブサイトで確認できる(「令和6年第2回定例会(12月議会) ー 12月17日 予算特別委員会」45分45秒ころから)。 佐竹知事は「発砲すると跳弾がガス管に当たるなど市街地での銃器の発砲は難しい」などと述べた上で、「ドローンにぶら下げて小さい爆発物を落として食べさせて腹の中で爆発させるという熊用のウェポンの開発が考えられるのではないか」という案を示し、「まずは熊の数を減らすことが必要だ」と述べている。しかし、ハンターは必要ないなどとは話していない。 拡散した情報が根拠としている読売新聞の記事にも、佐竹知事の発言として「熊に小型の爆発物を食べさせる」と書かれているが、「ハンターは必要ない」という発言は書かれていない。
判定
拡散した投稿はまとめサイトによるもの。佐竹氏は熊対策の案として「熊に小型の爆発物を食べさせて爆破」と発言しているが「ハンターは必要ない」とは発言していない。よって不正確と判断した。 検証:木山竣策 編集:宮本聖二、古田大輔 判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。